二章目あらすじ
『二章:狼は赤頭巾を被る』
一章目の事件から半年後、季節は雪の降る前の秋。
テリーは使用人の体が細いことに気が付いた。使用人のサリアに訊いたところ、ご飯を満足に食べれていない人がいる。さらに給料の二割しか貰っていないとのこと。
一度目の世界において、元使用人達の証言からベックス家の罪が重くなったことを知っているテリーは使用人達の味方をするため、母親のアーメンガードと執事のギルエドに抗議に行く。
その中で再会を果たしたキッドに全てを相談。すると、テリーが会社を建てればいいと提案。テリーは会社を考えた末、会社を紹介する会社があればいいのではと発案した。
そして屋敷には家庭教師がやってくる。クロシェ・ローズ・リヴェはテリーが唯一先生だと思った人であり、近いうちに変死体で見つかることを覚えていた。先生を失いたくないテリーは罪滅ぼし活動に奮闘しながら、クロシェの様子を見ることにする。
使用人達の信用を獲得するため、様々な課題を解決していく中、ベックス家の馬が何かに血を全て吸われて殺される事件が起きてしまう。
不信な空気の中、キッドがテリーのために仕事案内紹介所を設立。社長をテリーと設定し、使用人の信頼を高めるための協力をしたことへのご褒美に、キスをしてほしいとせがむ。頬にキスをするテリー。しかし、キッドへの不信感は消えない。そんなことを思いながら生活をするうちに、月経となり、荒れ狂うテリー。体調が治るまで寝込むことになったが、暇すぎたテリーが祖母のアンナ・ベックスの部屋に入り、アルバムを見る。
すると、本棚の奥に見たことのない鍵付きアルバムを見つけ、これを見ようと鍵を探し始める。鍵は、テリーの父親のオルゴールの中に入っていた。鍵は入手したが、ここでクロシェの登場。テリーは部屋に連行される。
翌日、仕事案内紹介所に挨拶に行くテリー。様子のおかしい男が仕事案内紹介所にクレームを言いに来た際に、小さな少女、ルビィ・ピープルに出会う。彼女に何を食べたのと訊かれた際に、テリーはにんにくと答え、少女のために飲み物を買いに売店へと向かった。
その夜、一度目の世界でクロシェに訊かれた、やってみたい仕事、夢の話を思い出す。自分は牢屋行きになったが、もしもそうじゃなかった場合、どうしていたのだろうと考え始める。ヴァイオリンが頭に出た瞬間、苦い記憶を思い出したテリーは記憶を忘れるべく、ずっと放置していたアンナの部屋にある鍵付きアルバムを見に行くことにした。
しかし、それは残酷な真実が入ったアルバムだった。
離婚していなくなったと思っていた父親は病で死亡していた。
事実を知ったテリーは廊下で倒れこんでしまう。意識が遠くなる中、大好きだった父親のことを思い出す。消えてしまった命はどうにもならない。けれど、まだ残っている命は救うことが出来る。まだ間に合うと思い、テリーが目を覚ます。
目を覚ましたテリーに、使用人のサリアが優しく介抱する。いなくならないで、という言葉から、サリアがここにいることをテリーに伝え、再び眠りに落ちてしまう。
再び目を覚ました時、まさにクロシェが死亡する条件がそろっていた日であった。
慌てて屋敷から出るテリー。唯一、事情を知り味方となるキッドに助けを求め、クロシェとメニーの救出へ向かった。
クロシェとメニーに襲い掛かったのは通り魔の男。仕事案内紹介所でクレームを言っていた男であった。男は中毒者であり、キッドが確保し、事件は終息したと思われた。
しかし真犯人は生きており、クロシェもまだ狙われていた。御者のデヴィッドを殺し、馬車が止まったのを見て、クロシェとテリーに襲い掛かった。だがキッドが救出に現れ、真犯人を追うが、テリーが人質として真犯人に捕まってしまう。
真犯人は小さな少女、リトルルビィであった。
彼女は中毒者であり、そのせいで吸血鬼になってしまった少女であった。
テリーの説得の元、リトルルビィは血を吸うことをやめ、人間としての心を取り戻す。
クロシェは死ななかったものの、使用人のデヴィッドの死に、テリーは心底胸が痛くなるのを感じた。
数ヶ月後、テリーがキッドの家へと向かうと、元気になったリトルルビィが現れた。そして、自分を唯一抱きしめて怒ってくれたテリーに本気で恋をしたリトルルビィは愛の大告白をする。テリーが困惑の中、キッドとリトルルビィの喧嘩が勃発する。
またさらに数日後、庭を歩いていたメニーの前に、リトルルビィが現れる。友達になってというリトルルビィに、メニーが手を差し伸べる。亡き父のオルゴールを聴きながら、テリーとドロシーがその様子を窓から眺めていた。
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