第10話

「詳しいことは分からない。だが、ただ力を失っただけならその後の改変が説明できない。1日のタイムラグもな。おおよそ、記憶操作は宇宙人が、その他のことは超能力者共が処理したんだろう。あんた、夢を見たって言ったな」


 藤原は俺の見た夢について高い関心をもったようだった。そもそも、夢というものは現代の科学では多くの部分が解明されていないそうだが、こいつのいた未来では夢というものはどういう意味合いのあるものなのだろうか。


「言えるわけがないだろう」


 まあ、そうだろうな。


「私としては涼宮ハルヒさんが力を失ったといるのは別段驚くような話ではないのですが、そのことと佐々木さんが狙われることの関連性が見えてこないわ」


 橘の関心は佐々木についてのことだった。それはそうだろう。なにせ彼女の立場としてはそもそもハルヒの力の本当の持ち主は佐々木であるはずだったのだから。


「元々、古泉さんのところとは敵対こそすれ、ここまで大規模に、そのうえ二大勢力が結託して攻撃を仕掛けてきたことは、今までなかったのに」


「ちょっとまて、二大勢力?」


 ということは佐々木を狙っているのは朝倉たちだけではなく。


「はい…現時点で佐々木さんを狙っているのは、長門さんの所の情報統合思念体。そして、古泉さんの所の機関なのです」

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