第3話
翌日
「うん?涼宮はまた休みか。欠席連絡は入ってないんだがな」
「長門さん?そういえばホームルームの時はまだ来てなかったかも」
「古泉君は忌引きで休みって聞いたけど」
「みくるなら今日はお休みだよん」
待て待て待て。何だこの状況は。ハルヒだけでなく、三人の携帯も電源が切られていて誰とも連絡が取れない。一体何が起こっているんだ。
俺は学校が終わった後、ハルヒの家へ向かった。おかしい。絶対に何かおかしい。そう思いながらハルヒの家のインターホンを鳴らしてみたが、返答はなかった。
やむなくその足で長門のマンションへと向かう。マンションの前で、部屋番号を押そうとした時丁度中から女の人が出てきた。会釈だけしてふんと足をはさみこみ自動ドアをこじ開ける。そういやハルヒも以前ここに来た時同じことしてたっけ。随分と昔のような気がする。
ピンポーン
「俺だ長門!開けてくれ」
ドンドンと玄関を叩いてみるがこちらも全く反応がない。というより人の気配がない。ほとほと困り果てた俺があの管理人に尋ねようとした時、背後から肩を叩かれた。
「!?」
脊髄反射的に後ろに引いたので玄関に頭と背中を打ち付けてしまった。
「そんなに嫌がらないでよ」
心臓が早鐘のように高鳴った。昨夜の夢から覚めた時のようなものではなく、生命の危機を感じてのことだった。
北高の制服を着てにこやかにほほ笑む元クラスメイト、朝倉涼子が眼前に立っていた。
「なんでお前がいるんだ」
「えっとね、言いにくいんだけど」
朝倉はそういうとくるっと半回転した。
「長門さんはあなたとは会えないわ」
ふざけるな。長門の代理がお前なんて月とピンポン玉ぐらい釣り合っていない。酷いわ、と朝倉は俺に背を向けたまま答えた。
「観察対象の修復作業に時間がかかりそうなのよね。対抗勢力の掃討にも。だから、本当はあなたにかまっている時間は、私にだってないのよ」
明るい声色ではあるが、何やら不穏なことを言っていた。朝倉たちの観察対象とはハルヒのことではなかったか。ハルヒがどうしたって言うんだ。
「キョン君は何もしなくていいから。私は今日このことを伝えに来たの」
じゃあね、と言うだけいって、忽然と朝倉涼子は姿を消した。
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