第2話
『うう・・・うう』
誰だ
『さむい・・・さむいよ』
ハルヒか、お前はハルヒなのか
『うぅ・・・くるしい・・・』
ハルヒ!どこにいる!
『えっ・・・有希?』
長門?そこに長門がいるのか?
『有希・・・胸が苦しい・・・痛い』
長門!ハルヒ!どこにいるんだ!
『お願い・・・手を』
しっかりしろハルヒ!すぐそっちへ
『苦しいよ・・・みんな・・・たすけて・・・キョン・・・あたしを・・・助けて』
「っはあ!!!」
俺は肩で息をしていた。しばらく呆然としてようやく自分がベッドの上にいることを思い出しベッドから抜け出す。今のは・・・夢、なのか。違う、あれはたしかにハルヒの声だった。夢なんかじゃない。俺はすぐに携帯を手に取りハルヒに電話した。別に寝ぼけていた訳じゃない。俺はハルヒの声が聞きたかった。こんな時間に何考えているのよと罵倒されても構わない。とにかくハルヒの声を聞いて安心したかった。
だが、ハルヒへの電話がつながることはなかった。
ハルヒの身に何かが起こったのかもしれない。そんな予感がして、俺はSOS団に電話を掛けた。だが三人とも、普段ならすぐ出るはずの長門でさえが、電話に出ることはなかった。
不安はさらに増したが、三人と連絡がつかないことは今までないこともない。例えば、そう、ハルヒと閉鎖空間に閉じ込められたときとか。
『ハルヒの身に何かが起こり、長門達はその対応に追われている』
勝手な想像だが、そうであってほしい。 俺はもう一度ハルヒに電話を掛けた。
『お掛けになった電話は、現在、電源が切られているか、電波の届かない場所にあるため、かかりません』
先ほどまでのただ繋がらないのではなく、携帯会社のアナウンスが流れた。これは、どういうことだ。誰かが携帯を触ったのだろうか。俺は全く眠れる気がしなかったが、他にできることもなく、眠れないまま朝を迎えた。
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