第9話 疑問
あれから約2ヶ月が経ち、俺もようやく落ち着いて生活ができるようになっていた。
「あれ、電子レンジ壊れたのかな」
普段は自動で電源がオンオフするタイプの電子レンジだが、自動で電源が入らない。
「まぁ、こいつももう7年くらい使ってるし、割り切って新しいの買ってくるかぁ…」
早速、すぐ近くにある家電量販店に向かった。
店に着くと、真っ直ぐに電子レンジの売り場へ向かった。
遠くから聞いていて、なにやら揉め事のようだとは気がついていたが、近くまで来ると、やり取りがはっきりわかるくらいの声の大きさでなにやら揉めているようだ。
「はぁ?うちらが何したっていうの?」
「何したも何も、これはれっきとした器物損壊だぞ!」
騒がしく口論が繰り広げられている。
しばらく口論が続いていたが、どうやら関東の所々で破壊活動のようなデモが起きているようで、目の前の男女計5名のグループと、家電量販店の店主と見られる男性が言い争っている。
「だから、俺たちここを通りかかっただけだっつの!」
「正直に言わないと警察を呼ぶぞ!」
「ちょっとちょっと、なによ警察って。ほんとに何もしてないのに警察とかマジうけるんだけどー」
最近この辺りでもデモが酷くなってきているのだが、未だに破壊活動をしている人物が捕まっておらず、いたちごっこすらできていない状態に被害を受けている人達は大きなストレスを抱えているようだ。
なぜこのような状態になったのか、それはネットで流れていた、とある噂に答えがあった。
今から約3ヶ月前、ネット上に新しくブログのようなサイトが開設された。
そこには、ほとんどの人が知らないようなAIに関する情報や、AAIに関する情報が公開されており、「未知のサイト」と呼ばれ、たちまち日本中へ拡散され、今や日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語、スワヒリ語等にも対応し、世界中からも注目されている。
あまりにも詳しいため、その異様なほどの奇妙さから、人々の中にはそのサイトへ1度アクセスしたきり、二度とアクセスしないという者も見かけられた。
実を言うと、俺もその1人で、サイトを1度見たきり再アクセスをしていない。
だが、なにかが引っかかる。
詳細な情報の裏に隠された"本当の真実"があるのではないだろうか、と疑問が浮かぶ。
言うまでもなく、検索欄には既に「AAIの真実」というワードが打ち込まれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます