第7話 変貌
テレビと思われた"それ"には、大きく「AAI」という文字があった。怖くなってネットで「テレビ AAI」と調べるが、流石に目当ての情報が書かれたサイトはなかった。
「SNSで検索しよう...」
震える手を気持ちで押さえつけ、なんとか検索欄に「AAI テレビ」の文字が入った。
「やっぱり...やっぱりそうだ...」
検索結果には、大量のキーワードで溢れていた。
「テレビがなんかおかしいんだけど!」
「え?これどうなってるの...?画面にAAIって表示されてるんだけど!」
「なんでテレビ変わってるの?!誰かわかる?」
リアルタイムで言われていることだった。
検索結果を更新すればするほど溢れ出てくるみんなの焦りが俺にも伝わってくる。
「落ち着け...落ち着け俺...」
まずは、他にも変わったところがないかを探してみることにした。
パソコン,ラジオ,時計も調べたが、特に異常は無い。
「よし、やっぱりテレビだけだな…」
テレビをもう一度よく見ると、画面には何やら小さな丸のようなものがあった。
「なんだ?これ?」
無意識に手が伸び、画面に触れる。
その直後、画面に大きく表示されていたAAIの文字が消え、なんだかよくわけのわからないメニューが表示された。
「....は?...タッチパネル..?」
今の時代、テレビでタッチパネルなのは当たり前であるが、このテレビは元々の機能が旧型の超大型テレビのため、タッチパネル機能搭載の代わりに最新のパネルを使用し、比較的低価格で高画質の映像を流せるモデルとなっていた。
大きさは45型だが、解像度は16K以上だ。
厚さ僅か2cmの超薄型であるが、銃弾を浴びても傷がつかない特殊なフィルムを使っているため、倒れて壊れることもない。
そういえば、ここ最近日本全土で地震に関するニュースが放映されていない気がする。最後に放映された地震のニュースは、半年前に大きな地震があった時のニュース以来だ。
やはり、なにかがおかしい。
もう一度テレビをよく見る。
画面いっぱいにたくさん文字が書いてあり、それぞれの文字は丸のような形をした画像の上に説明書きのように陳述されている。
そのうちのひとつに、「AAI計画」というものがあった。
自然と手が伸びる。
指が触れたと思った瞬間、携帯の着信音が鳴り響いた。
「....もしもし?」
着信番号をよく見ていなかったのだが、知っている番号ではなかったのは確かだった。
「....................」
「..?どちら様ですか?」
「....................」
「あれ、間違い電話かな…」
不思議に思いながら電話を切ると、テレビの様子がおかしいことに気が付いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます