第33話 西の国
西の国
マーク13世「ん、帰ったかアルキ。それにヘルク。早いのお。」
ヘルク「ただいま戻りました。」
アルキ「お土産だ。竜の亡骸と狼の亡骸と、人間だ。」
マーク13世「亡骸は研究所に送ってくれ。ん、その人間は王子じゃないか?」
アルキ「そうなのか?にしては弱かったぞ。」
マーク13世「おしっこをばらまいて喜んでるくらいだからな。ウルフチューブで見たんじゃが。」
ヘルク「威厳も何もないですね。さて、どうします?」
マーク13世「まぁ曲がりなりにも王子だし、人質として使おう。北の王との交渉材料にするかの。一気に形勢逆転じゃな。ありがとう。アルキ。」
アルキ「おう。王冠のじじいもいい感じのヒゲだな好きだぞ。」
マーク13世「ふっふっふ。さて、戦争はさっさと終わらせて、北の国と交易したいと言うのが伝わるかのう。聞く耳すら持たぬからなぁ奴ら。」
アルキ「この王子も失禁してるぞ。」
ヘルク「お漏らし王子ですね。だっさ。」
マーク13世「思ったより北の国は文化レベルが低いのかもしれんな。クールガの宝石も増えたし、送ってもいいんじゃが。」
ヘルク「敵に塩を送ると言うのですか。」
マーク13世「貸しを作っといたほうがええからの。それに、実は北の国から亡命した移民達の家族がわが国でもしっかりとした業績を残しているのじゃよ。体裁は捕虜としてるんじゃが。体が大きいから肉体労働にはもってこいだしの。勤勉じゃ。ここまで優秀な民を兵士にするなんて勿体無い。下水道の整備、住宅の建設の職についておるものが多いのう。もちろん、衣食住も保証しておる。」
ヘルク「さすがは名君と名高いマーク様です。」
アルキ「人間は愚かだな。みんな仲良くすればいいのに。」
マーク13世「その通りじゃ。争いは何も生まん。パンもうまぬ。大地を血で汚し、傷つけ、何になると言うんじゃ。」
アルキ「パンか。いいな。飯にしよう。」
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