第29話 アルキと老人

アルキ


アルキ「じじい、これはなんだ?」

クールガ「それはレイピアじゃな。お主の魔術の実体じゃ。」


アルキの手元には、細身の劔がある。

しっとりと濡れているような、刀剣にアルキは目を奪われていた。

アルキ「ブサイクなじじいからこんな綺麗な劔が生まれるとは。」

クールガ「ブサイクは余計じゃ。ほれ、ふってみい。」


アルキはレイピアをふった。

すると、劔から、波動が出て、目の前の石をサクサクと刻んだ。

アルキ「おお、すごいな。」

クールガ「お主の魔術の剣と合わせれば、相当なもんじゃろ。」

アルキ「じじいのヒゲもそれそうだぞ。」

クールガ「はっはっは。これはダメじゃ。ヒゲは威厳の証じゃからな。」

アルキ「威厳?」

クールガ「そうじゃ。かっこいいじゃろ。」

アルキ「そうだな、かっこいい。」

クールガ「ところで、そいつの剣の名前はグラムじゃ。名前があったほうがええじゃろ。」


アルキ「グラム・・・。かっこいい!」

『グラム 細身の劔 使用者の速度をあげる。』


クールガはそのほかにも、4つの剣を作った。

『ダインスレイフ 魔剣 使用者の力を吸い取り、増幅する 使用者の生命力も吸い取る 龍の絵がほっておある。』

『ティルフィング 魔剣 呪われており、呪われた者にしか使えない。髑髏の絵が彫ってある。』

『レーヴァテイン ナイフ ある人物だけに刺さるナイフ 心臓の絵が彫ってある。』

『フロッティ 聖剣 人間以外の万物を切り裂く聖剣 王冠の絵が彫ってある。』


アルキ「すごいな。じじい。どうやってこんなたくさんの剣を。」

クールガ「この本にかかれとったんじゃ。サリタ様が書いてくださっての。絵が入ってて、面白いぞ。」

アルキ「本?」


『猿でもわかる北欧神話 武器集 サリタ14世 著』

クールガ「そうじゃ、パン食いながらでええから、書斎の本読んでみるがええぞい。」

アルキ「文字も教わったし、読めるな。よし、行ってくる。」


アルキは書斎に向かった。

大きなへやに壁一面の本がある。

その中には

『狼でもわかる世界の仕組み サリタ14世 著』

『自然の仕組み サリタ14世 著』

『ダイヌ 謎の民族 サリタ14世 リューリン 共著』

『お酒の作り方 サリタ14世 著』

『石造り入門 サリタ14世 著』

『創造論 サリタ14世 著』

『馬でもわかる パンの発酵 サリタ14世 著』

『化学 魔法の技術 サリタ14世 著』

『魔術 禁忌の術 サリタ14世 著』

『王都日記 この国は民のもの サリタ14世 著』

『世界の秘境 著者不明』

『狼も惚れる ヒゲ特集 サリタ14世 著』

『葉っぱ 禁呪の薬草 サリタ14世 著』

『誰のために作るか サリタ14世 著』

『北の戦乱 サリタ14世 著』

『子供向け 大地に住む聖人 サリタ14世 著』

『狼に好かれた王子 トーニ 著』

『龍とは サリタ14世 リューリン 共著』

『商売哲学 サリタ14世 著』

『紙幣 サリタ14世 著』

『音楽が作る世界 マーク13世 著』

『伝説の馬ヘルク マーク13世 著』

『子供向け 平和のパン サリタ14世 著』

『魔法のパン サリタ14世 著』

『人体解剖 サリタ14世 著』

『凶悪犯罪人の価値 サリタ14世 著』

『民こそ全て マーク13世 著』

『音楽理論 マーク13世 著』

『王都の設計者 ルルブ 著』

『格闘技 カイーヌ 著』

『呪われた絵 カイーヌ 著』

『死闘 カイーヌ 著』

『時間 カイーヌ 著』

『神と悪魔 カイーヌ 著』

『猫もやみつき お菓子レシピ サリタ14世 著』


そのほかにも古今東西の本があった。


アルキ「今日はここで1日過ごそう。全部読んでやる。全部。」

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