第23話 アルキと老人3
老人は不思議な夢を見た。
ベッドから地面に穴があき、落っこちていくのだ。
クールガ「うわあ!」
慌てて、起きた。
はぁはぁ・・・。夢か。
アルキ「じじい、変なものを見たぞ。」
クールガ「なに!?まさか。」
アルキ「ああ。お風呂の中に私はいた。気持ちいいからおしっこしたんだ。」
クールガ「それで、わしのベッドが溶けて、穴が空いてたんじゃな。」
アルキ「そうだ。」
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クールガ「さぁ、今日は壊れたベッドを治すぞい。」
アルキ「おう。朝食も取りに行こう。果物はないのか。」
クールガ「この辺りは石肌ばかりじゃからな。お前、石は食えんのか?」
アルキ「んん、どうだろ。というか、あの大きな機械はなんだ?」
クールガ「ん?あぁ、あれはサリタ王子がもし食い物がなくなったら、これに石を入れろって言っておったな。」
アルキ「よし、石を取ろう。」
アルキは魔術を使用した。
老人「おお、石がバターのように切れた。」
アルキ「この洋服と食べたものが私をさらに強くしたみたいだ。」
アルキは石を機械に入れた。
機械は少し動き、下の口からパンが出てきた。
アルキ「じじい、パンだ。」
クールガ「うむ。全くサリタ様は賢いのう。これを食いながら採石場までいくか。石のベッドを作ろう。」
アルキ「そうしよう、じじい。」
クールガ「ほれ、手を繋ぐぞ。」
アルキ「うむ。じじいの手はあったかくて好きだぞ。」
二人は少し離れた採石場まで向かった。途中、アルキはお花を摘みに行った。
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昔々、巨大な馬がいました。それは城より大きく、強く、西の民はたくさん食べられました。その時、旅人が不思議な呪文を唱え、馬は石の下へ氷漬けにされました。
恐ろしいことに、石におしっこをすると氷が溶けて復活してしまうのです。
復活した馬に、西の国は壊滅させられてしまいました・・・。
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クールガ「ん?なんじゃ地震か。」
アルキ「じじい、私のおしっこが馬を起こしたぞ。」
クールガ「馬!?まさか、御伽噺のヘルクか!?」
ヘルク「ふう・・・。」
城のように大きい馬が現れた。
ヘルク「そこのじじい、私を起こしたのはお前か。」
クールガ「ちゃうぞ。こっちの少女のおしっこじゃ。」
アルキ「感謝しろ。」
ヘルク「おしっこ!?ま、まぁいいか。寛容な生物だからな。」
アルキ「お前、うまいのか?」
ヘルク「まずいぞ。」
アルキ「じゃあやめとこう。」
ヘルク「うむ。さぁ私に跨るがいい。移動が楽だぞ。私は何かを乗せないと動けないのだ。」
クールガ「凶暴じゃなくてよかったな。ええみはらしだ。これなら遠くの採石場までいけるぞい。」
アルキ「風が気持ちいいな。ヘルクは今まで何してたんだ?」
ヘルク「昔、カイキという男に負けてな。面白そうだから保存しておこうと言われ、石の中に保存されてたんだ。」
アルキ「カイキ・・・。強そうだな。」
ヘルク「強かったぞ。まぁお前よりは弱いだろう。」
クールガ「こやつ、そんなに強いのか?」
ヘルク「ああ。生まれつき魔術を使えるのは人間にはいない。まだ成長しきってないだけだろう。その魔術はこの地球ですら綺麗に切ってしまうからな。」
クールガ「ふむむ。ということはこの星はもう見限ったのか?」
ヘルク「おそらく、な。」
アルキ「なんの話をしてる?」
つまり、この星を作った創造主が飽きて、この星の命を終わらせるために、アルキを産み落とした。
アルキ「私はすごいやつだったんだな。」
クールガ「古代の本にも何度か登場するのお。獣のような瞳に、赤い髪の少女が世界を滅ぼすとな。実際、生物がほとんどいなくなったこともあったが。人間だけは繁栄しておったんじゃ。」
ヘルク「私も長いこと生きてきたが、一度だけ、貴様のようなものを見たな。そいつは動くものを皆殺しにして、食べて、消えてしまった。」
アルキ「私はパンとじじいが入れば満足じゃ。」
ヘルク「今回のはなんか違うな。多分クールガ殿の宝石の力かもしれん。」
クールガ「そうじゃな。負の感情を吸い込む力がある宝石もあるからの。これを見越して、サリタ様は私に宝石づくりを続けるように依頼したのかの・・・。いやはや。」
ヘルク「サリタというものにも会いたいな。」
採石場についた。
クールガ「よし、アルキ、あそこの黄色い石と、赤い石、青い石の三種類切り出してくれい。」
アルキ「おう。」
アルキはサクサクと石を切り、ヘルクの背中に乗せた。
クールガ「早いのー!楽チンじゃ。よし、あとそこの黒い石を切り出して、帰るぞい。」
アルキ「ホイホイ。」
ヘルク「久々に重量のある物を載せるな。なんという喜び。」
クールガ「よし、家の近くの加工場に戻るかの。」」
ヘルク「乗るが良い。」
アルキ「綺麗な石だな。なんて名前なんだ?」
クールガ「ターコイズ、ローズクォーツ、黒曜石、タイガーズアイじゃな。」
ヘルク「これでベッドを作るのか。」
クールガ「そうじゃ。お主にも何か作ってやろう。蹄につける蹄鉄がええな。しかしでかいのう。」
ヘルク「おお、蹄鉄か。それがあれば私もさらに早く走れるな。」
アルキ「加工してる時のじじいはかっこいいな。」
ヘルク「ええ、一心不乱に石を加工する様は圧巻ですね。」
クールガの手には魔術が宿っている。
石を意のままの形にする。高い集中力が必要だ。
クールガ「よしこれでええじゃろ。アルキ、蹄鉄をつけてやってくれい。」
アルキ「おう。よし、ヘルクジャンプしろ。」
ヘルク「ふむ。」
ヘルクは空高くジャンプした。
アルキ「おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!」
アルキは4つの大きな蹄鉄を投げた。
ヘルクの足にぴったりとついたそれは黒曜石でできた、真っ黒な蹄鉄だ。
ヘルク「おお!すごい。足に力がみなぎる!うおおお!!!」
アルキ「はっはっは!ヘルクが空飛んでるwwwかっけえwwww」
クールガ「いやはや、なんじゃありゃ。ペガサスのようじゃのう。」
ヘルク「超楽しいwwwwうっはwwww最高wwww。」
クールガ「ベッドは簡単じゃな。よし昼飯にしよう。いやー人手がいると捗るな。午後は武器でも作るか。」
アルキ「飯だ飯だー!ヘルクー!飯だぞー!」
ヘルク「おう。」
ヘルクは空から勢いよく、降りてきて、クールガの家を踏み潰した。
クールガ「え?」
ヘルク「あ。」
アルキ「む。」
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