第21話 アルキと老人
老人
ムウ・・・。馬のやつが見当たらぬ。夕刻まで帰らぬとは珍しいが。
アルキ「うがああああ!」
老人「む、獣か。トパーズよ。ひかれ。」
老人の手に持たれた黄色い宝石はまばゆい光を放った。
アルキ「が!?」
ま、眩しい、前が見えない。体が熱い
アルキ「ま、眩しい!目がああああ!!!目がああああ!!!」
老人「な!?人間?」
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アルキ「お前、強い。お前、私くうか?」
老人「はっはっは。何を言っておるんじゃ。お前そんな格好だから狼かと思ったわ。言葉がはなせるのじゃな。しかし、獣臭いのお。風呂に入ってこい。」
アルキ「風呂?なんだ?どこだ?」
老人「むむ、風呂がわからんか。とりあえずその毛皮と服を脱いで、こっちゃこい。」
アルキ「強きものに従う。」
老人「お前、女じゃったのか。ほれここじゃ。」
アルキ「なんだ、あったかいぞここ。湖があるぞ。魚がいるのか?」
老人「ここに入るんじゃよ。ほれ。」
アルキ「!?なんだ!?熱いぞ!?私は水が嫌いだ!雨も嫌いだ!」
老人「はっはっは。ほれ、石鹸じゃ。」
アルキ「鼻が!?なんだこの匂いは!?頭がクラクラする・・・。白いモワモワしたものが私の体に!?なんだ!?虫か!?うまいのか!?」
老人「そりゃ泡じゃ。ほれ洗ってやるからこい。」
アルキ「それにしても、アグ生物にしては干からびた獣みたいだな。お前。」
クールガ「わしはクールガじゃ。なんじゃアグ生物ってのは。」
アルキ「アグ生物は人間だ。殺す時にアグアグ言う。」
クールガ「ん?お前兵士か。どれ。」
クールガはアルキの頭に手を置いた。
『クールガの手 物体の記憶や歴史を見ることができる。サリタにより、補強されており、強化された。石にしか使えない能力だったが、人にも使えるようになった。』
クールガ「んん?なんじゃ、お前この星の生物じゃないぞ?にしても、哀れな悍しい記憶じゃのう。アルキというのか。この歳になって、わからんことがあるとはなぁ。神の悪戯か。」
アルキ「じじいの手は暖かいな。なんか気持ちいいぞ。」
クールガ「あ、ここでおしっこするんじゃな・・・。床がとけた!?」
アルキ「ふう。スッキリした。」
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クールガ「うむ。やはり女性はドレスが一番じゃな。わしの妻が大切にしてたものじゃが、ぴったりじゃな。」
アルキ「動きやすいな。」
『クールガのドレス 内側に宝石が入ったドレス。高い防御力と魔力を増幅する力がある。』
クールガ「それとな、魔術について教えてやろう。」
アルキ「魔術?この剣のことか?じじい、見えるのか?」
クールガ「ああ、それは魔術といって、西の国でも、古代の技術と言われておる。現代じゃ使いこなす人間はいなくなったがの。お前のはそうじゃな・・・。レイピアという剣を生み出す魔術じゃ。」
アルキ「そうだ。じじい、キスしてみたいぞ。」
クールガ「年寄りの話は最後まできかんかい!!!」
クールガの周りに大きな鎌が出現した。
アルキ「な!?じじいの魔術はそれか!でかいぞ!」
アルキは思わずおしっこを漏らしてしまった。
クールガ「家の床が溶けたじゃと!?全く、不可思議な獣め・・・。そうじゃ、わしの宝石をやろう。」
アルキ「私は宝石なんかいらないぞ。キスがしたい。」
クールガ「ああ、もうほれ。ちゅ。」
アルキ「あんまり気持ちよくないな。それにパンの味がした。」
クールガ「まぁ、じじいじゃからな。そうだ、飯でも食いながら、魔術の続きをやるかの。」
アルキ「めしか?脳みそか?」
クールガ「もっとうまいもんじゃよ。」
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