第20話 東の国

サリタ


もうすぐつくな・・・。海の先には、島が見える。

砂漠にルクシアと僕の子供達を置いてきた。


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ルクシア「さぁ!子育てと拠点作りはやっておきますわ!サリタ様は東へと旅立ってくださいまし!」

サリタ「ああ。にしても、ルクシアがいて助かったよ。」

ルクシア「あぁ!なんてもったいなきお言葉!破水しそう!」

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僕の想像を超えた成果だった。一晩寝ると、次の朝には10人生まれてた。

全く、不思議なものだな。ルクシアの特異体質のせいだろうか。


食料も置いて、バギーは軽くなったし、それに砂からパンを作り出せる機械も置いてきた。

砂漠の砂というのは調べると、火山の灰であった。

太古の昔、地底にあった火山から噴出したのだろう。

火山の灰にはミネラルが多く、栄養価の高いパンが作れた。


僕が身につけている機械の技術は、無から有は作れない。

小さいものを加工し、大きくすることに長けている。

全く何もないところからは何も生み出せないのだ。


しばらく、考え事に浸っていると、東の国へ着いた。


東の民「んん?なんだ、珍しい目と髪だ。」

東の民「金色に、青い瞳か。西の国のやつじゃねえか?」


船着き場には、何人かの東の民がいた。

サリタ「あ、あのこんにちは。西の国のサリタです。」


うわあああああ。すごい!本当に東の民だ。絵ではない!

腰まである、真黒い長い髪に、茶色い瞳、中には黒い瞳の人もいる。

男女共に髪が長く、肉体や顔にはたくさんの呪絵ジュエが入っている。


東の民「サリタ?あれ、お前もしかしてカカポ送ってきたやつか?」

東の民「まじで?てかお前何歳だ?10歳くらいに見えるぞ。」


サリタ「よかった。ちゃんと届いてたんですね。お近づきの印に、今回も持ってきました。それと、宝石も。あ、35です。」


僕の船に積んでいた、1トンのカカポと、20個の宝石を差し出した。

東の民「35!?年上だった!?え!?ま!?」

東の民「おおお!すげえ!カカポだ!!!!!!!」


な、なんだ。なんかすごい喜んでるぞ?


東の民「うおおおおおおwwwwすげえwwww」

東の民「おい、みんなのとこに連れてくから行こうぜ!歓迎するぜ!!」

気がつくと、10人ほどに増えていた。

東の民「えーかわいいー。綺麗な色の髪ー。」

東の民「すごい綺麗な石!自然のものじゃないね?細工してあるのかな。」


島民の一人が僕を掴んだ。足で。

サリタ「え?」


東の民「ゼカ、ベト。」


瞬間、僕の体は宙に舞った。

肩のあたりを東の民の足が掴み、まるで鳥のように飛んだ。


サリタ「うぎゃああああああ!!!!」

高い!高い!この高さから落ちたら死ぬ!

東の民「ははは!お前飛べないんだな!」


空から見ると、東の国はどうやら

山、湖、森などの雄大な自然がそのままだ。

家や電灯はない。


それに、空を飛ぶのはすごい気持ちがいい。


東の民「んん?お前、賢者類か!カカポも宝石もお前の発明なのか?」

サリタ「カカポは僕の発明ですが、宝石はクールガと言う職人が作りました。」

東の民「ほー!いや、他の民族が来るのは珍しくてな。特に西の国のは滅多にこないからなぁ。」


しばらく空を飛ぶと大きな木があった。

東の民「あれが、俺らの住処だ。御神木ルルアって言うんだぜ。」

サリタ「で、でか・・・。」


目の前には天にも届きそうな、大木がある。ちらほらと東の民の人が見える。


あぁ、感動だぁ。しかし、どうやって生活してるんだろう。


東の民「血の気が多いのが、たくさんいるけど、みんなカカポが好きだからよ。まぁゆっくりしてってくれや!」

サリタ「は、はい。ありがとうございます。」


よかった。北の国とは違って、友好的な関係が築けそうだ。


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