第18話 南の国

南の国 龍神国 ダイヌ族


カイキ「やー、久々にきたなぁ。それにしても・・・。」


目の前には地獄の戦いが繰り広げられていた。


1人の小柄な少女が10匹の龍相手に、殴り、蹴っている。


少女「は!」

彼女の長いポニーテールの髪が揺れる。


龍「がは!」


龍の1匹が吹き飛ばされる。


次々と彼女は龍を吹き飛ばしていく


雲が吹き飛び、湖は波打ち、暴風がふき、木々を大きく揺する。


カイキ「あちゃー・・・。ちょっと見ない間に、あいつ俺より強くなってねえか・・・。」


少女「ん?なんだカイキか。久しぶりだな。ユリーヌは一緒にいないのか?」

カイキ「おー取り込み中悪いな。ユリーヌは今宝石探しに西の国に行ったぜ。」

少女「そうか。よし。飯にするか。」


少女の目つきが変わった。まるで悪魔のような目だ。


龍「ちょ、ちょっと待て!降参!こうさん!!」

10匹の龍たちが涙目で訴える。


カイキ「うわあああ。俺もぶるっちまったよ。涙出てきた。」

少女「ん?なんだ弱くなったな。その刺青にばっか頼ってるからだ。腑抜けが。」

カイキ「おっしゃる通りで。」

少女「よし。ほら、龍たちも飯にするぞ。反省してるようだから、許してやる。」


カイキ「ん?何かしたのか?こいつら。」

少女「ああ、私との稽古を断ったのでな。」

カイキ「そ、そうか・・・。」


---

ダイヌ族の鍋

ダイヌ族は獣を鍋で煮込む。香辛料が程よいアクセントになっている。

とても巨大な鍋で、一度作ると3ヶ月は食べられる。

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カイキ「いやー!うまかった。イノシシに、うま、さいこうだった!

龍「カイキさんもお久しぶりですね。ようやくユリーヌさんが復活したんですね。」

カイキ「ああ、探すのに苦労したぜ。」

龍「二人で一つですからね。変わった種族です。」


『カイキとユリーヌ 元は男女双子だった。しかし、呪絵ジュエの力で300年に一度しか出会えなくなった。合体すると、力も呪絵ジュエも2倍になり、強大になる。』


少女「そうだ。ちょっと手合わせしてみるか。」


カイキ「え?」


瞬間、彼女が目の前にきた。

カイキ「くっ。アポリ・・・。」

少女「遅い。」


彼女の拳が呪絵ジュエが発動する前にカイキの腹に届いた。


『がぎん!!!!』


カイキ「あぶね。ここにいれといてよかった。」

少女「おお、いい音だな。」


カイキは空に飛んだ

カイキ「キイタ、ゲソソリフ。」


あたりの空気が圧縮され、たまになり、少女めがけて飛んだ。


少女は足に力を込め、大地を蹴った。

空気の玉が弾け飛んだ。


カイキ「な!?」

少女「甘い。」


彼女の蹴りが、鋭く光る

カイキ「がは!!!!!」

カイキの右足を貫く。


カイキは鋭く、地面に突き落とされた。


龍「はあ。カイキさんでもダメか。」

そのさきで龍が受け止める。


少女「未熟者め。」

カイキ「ぐえええ、なんで、呪絵ジュエをいれてないとこがわかった・・・。リューリン。」


リューリン「勘に決まってるだろ。」

カイキ「ぐはあ。いや。参った。」

リューリン「ふん。お前は肉体が弱すぎる。それに呪絵ジュエは一対一の戦いには不向きだな。合体したお前ならもうちょっと善戦しそうだがな。」

カイキ「ごもっともで・・・。」


龍「カイキさん、リューリンの稽古は3ヶ月は戦いっぱなしですよ。」

カイキ「ひええええ・・・。」


『リューリン ダイヌ族の長。龍と人間のハーフで、大体が10歳までに肉体が衰え死んでしまうが、彼女は龍の半分の寿命まで生きられる。現在2000歳。強靭な肉体は龍をも凌ぐ。全身が鱗で包まれた少女。』


リューリン「そういえば、北西のアイスドラゴンが復活したぞ。確かお前だろ封じたの。」

カイキ「え?まじか。あの辺りは解ける奴がいなかったが。」

リューリン「大方、ションベンでもかけて遊んでた、馬鹿だろ。」

カイキ「ははは!そうかもな。」

リューリン「あいつは龍たちの中でもはみ出しものだったからな。寒さで力を発揮できない龍の特性を知らんだろう。」


『龍 暖かい地方に住む獣 大小様々な龍がいる。お酒が大好き。』


リューリン「お主の国は酒はないのか?」

カイキ「ああ、西の国でしか作れないな。」

リューリン「そうか・・・。龍殺し以外の酒なら好きなのだがな。」

カイキ「そうだなぁ。ああ、そうそう聞きたいことがあってな。」

リューリン「ん?」


かくかくしかじか。


リューリン「ああ、ニューデリアか。お前もようやくそこまで行ったか。そのじじいは私の祖父だ。」

カイキ「え?!」

リューリン「その宝石があれば、この星を生み出したものに出会えるぞ。そこまで行くのはそうだな。私も行ったが、あいつらは強いぞ。私も負けたからな。」


カイキ「かー!まじかよ。なんだよ。そいつら。」

リューリン「この星を作った奴らだよ。4人いる。ハーデース。アルテミス。ペルセ。スウゼ。その四人だ。私は誰にも勝てなかったぞ。おそらく、4国が協力しないと無理だろうな・・・。」

カイキ「そんな奴らがいるのか!?」


リューリン「ああ。そもそも、この星は彼らのおもちゃ箱みたいなもんだな。」

龍「まぁ私たちも似たようなもんですが、あいつらはまた違いますからね。」

リューリン「比較的平和な方だからな。龍や私たちは。」

カイキ「ん、龍が星を移動するって本当なのか?」

龍「はい。今はこの星にいます。綺麗ですからね。ここ以外の星はここまで綺麗じゃないですし、空気もうまい。是非とも永住したいのですが、彼らはいつか滅ぼすでしょう。」


カイキ「かー。スケールのでかい話だな。」

リューリン「その宝石なら西の国にあるだろ。少し王都から離れた小屋に住む老人が作ってたな。多分もう死んでるが。その小屋の地下にあるぞ。よし、地図を書いてやる。」


カイキ「やー助かるぜ!じゃ、早速。」

リューリン「私に勝ったら、地図をやろう。」

カイキ「え?」


龍「カイキさん、乙。」

カイキ「え?ちょっと待って、龍たちいなくならないで?」


リューリン「ふっふっふ。二人きりじゃの。」

カイキ「うわあああああああ。」

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