第13話 トーニ

トーニ


 僕は西に向かっていた。同じ部隊の兵士がやられた、敵を捕獲するためだ。

トーニ「はあ・・・。やだなぁ。どう見ても怪物だろうなぁ。もしかしたらこの世のものじゃないかも・・・。あぁ・・・。帰ってじゃがいも食べたい・・・。」


 僕は唯一北の国で呪絵ジュエが入れられる。実は・・・。母親がジャポヌ島の出身なのだ。

しかし、北の国では異文化が入ることを極端に恐れている。

 英雄の息子である僕に半分異国の血が入っているとわかれば、民は反乱し、王族は滅ぼされてしまうだろう。

 幸運なことに、王の妃は王宮から出る必要もないし、民には直接見られることは少ない。

 だから僕はその前に国を離れる必要があった。いざとなったら逃げられる拠点を作る目的がある。

 西の国と北の国が激しく戦った戦場跡の近くに古くなった教会がある。今では使われていないが、そこを整備し、仮拠点にしようと考えていた。

だが・・・。


トーニ「ん、そろそろつくな。おかしいな・・・。気配が何もしない。」

北の兵が待機していた建物には、彼らの亡骸もなかった。代わりに脱ぎ捨てられた鎧や武器があった。


しかし、食料も水もないし、見慣れない毛皮がある。


トーニ「どういうことだ・・・。敵はいないのか。」


大地が揺れた。


トーニ「く・・・。地震か!?」


ものすごい揺れが起きた。立ってるのもこんなんだ。


トーニ「くそ・・・。ここなら能力を使ってもいいだろ。はっ!」


僕は空を飛び、空中に飛んだ。上から見ると、木の建物が崩れていくのが見える。

そして、僕は気がついた。

大地の奥底に何かいる・・・。


トーニ「おいおい・・・まさか・・・。」


こんな御伽噺を思い出した。


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昔々、巨大なマンモスがいました。それは王宮より大きく、強く、北の兵はたくさん食べられました。その時、旅人が不思議な呪文を唱え、マンモスは雪の下へ氷漬けにされました。

恐ろしいことに、雪におしっこをすると氷が溶けて復活してしまうのです。

復活したマンモスに、北の国は壊滅させられてしまいました・・・。

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北の国では子供達をしつけるために使う民謡みたいなものだ。


トーニ「誰だよ!雪におしっこしたやつ!!!!」


雪の大地から巨大なマンモスの鼻が見えた。


トーニ「くそ・・・。やるしかないか・・・。まぁ能力を試すのにちょうどいいし、こいつを取れば、しばらく民が食える。よし!やるか!」


トーニは服を脱いだ。

純血ではないため、呪絵ジュエは服で隠すと効果が現れない。


このため・・・。戦ってる姿は誰にも見せられないのだ。

王子が下着一枚で奮闘する姿はまさに、ただの変態だ。


下着一枚のトーニ「うおおおおおおお。さみいいいいい!!!くらえええええ!!!!!」


トーニを渾身の力を込め、雪を操った。雪は巨大な氷の刃になり、マンモスに降り注ぐ。


マンモス「パオーン!!!!」


巨体が血だらけになり、なお、刃の雨は降り注ぐ。


トーニ「オラオラオラオラオラ!」


下着一枚の男が空中を舞い、刃の雨を降らせる。


マンモスは絶命した。

トーニ「はぁはぁ・・・。くそ・・・。疲れた・・・。こいつ持って帰んなきゃ・・・。」


トーニは服を着て、マンモスの鼻を掴み、引きずるように祖国を目指した。

トーニ「おも!?くそ・・・。民を呼ぼう・・・。」


トーニは通信し応援を呼んだ。

トーニ「100人はいないと運べないな・・・。狼部隊が来てくれれば助かるんだが。」

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