第11話 ニューデリア

孤島


ここは世界のどこかにある小さな島


島には一人のじじいが住んでいる


そのじじいは世界の始まりから生きていると言われている


ただの御伽噺だ


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カイキ「よお。じじい。」


じじい「・・・。」


返答がない。見るからにじじいだ。

対して力も感じないし、死んでいるのだろうか。


カイキ「おい。」


じじい「・・・。」


やはり返答がない。

殺気を込めた言葉を効果はない。

目の前には小柄なじじいが座っている。


ここはどこかわからないが、適当に空を飛んでいたら孤島があった。

孤島自体は珍しくないが、人が住んでいるのは長い間王になった今でも初めて見る。


少しちょっかいを出してみるか。


カイキ「イメイラ。」

カイキの手から放たれたま早い光は、いなづまのようにじじいを襲った。

背後から攻撃するのは恥だ。しかし、今はそれどころではない。

ほとばしる電流がじじいに直撃した。

人なら一瞬で真っ黒になる電力だ。


じじい「・・・。」


やはり、おかしい・・・。無傷だ。こいつは本当にじじいなのか?


カイキ「力を解放する。全力で行くぞ。」

カイキの呪絵じゅえが反応し、色鮮やかに輝く。


あたりの大地が震え、暗雲を呼び、嵐になった。


『カイキの呪絵 自然を操る力を持つ。火、水、風、土、空全ての力を操る』


およそ、この世のものと思えぬ力が孤島に降り注ぐ。


じじい「・・・。」


カイキ「く・・・。」

な、なんだこいつは。


カイキは動揺していた。己が最強だと思ってから何百年も国を支配してきたが、初めての動揺だ。目の前のじじいが放つ力はあまりに異質でこの世のものではない。


雷が鳴り響き、大きな津波が孤島を襲う。大地は割れ、雷が火を起こす。


突風がじじいに直撃するが、じじいどころか、孤島は微動だにしない。


カイキ「クソが・・・。はぁはぁ・・・。」

カイキは初めて力を使い果たした。

肩で息をした。荒い呼吸でじじいをみる。


じじい「・・・。」


こうなったら、直接殴るしか・・・。


カイキは距離を詰めた。

拳に全力を込めた。


カイキ「うおおおおお!!!」

渾身の一撃がじじいの背後を襲う。


じじい「・・・。」


ガキーン!!!


カイキ「くは!な!?」


じじいに触れて気が付いた。

こいつ人間じゃない!?

何かの金属!?


カイキ「い、いてえ・・・。」

殴った拳が砕けた。あまりに強度の高い金属だ。およそこの世のものとは思えない。


カイキ「このクソじじい・・・。」


じじい「・・・。」


ここまできたか、人間。


どこからか声が響く。


カイキ「誰だ!?」


ここはニューデリア。証はあるか。


カイキ「証?ねえぞそんなもの。」


ならば探すが良い。真紅の宝石をな。それからまた来い。


カイキ「チッ。一体誰なんだ。真紅の宝石?」


この惑星の最も貴重な石だ。名はクールガの宝石


カイキ「聞いたこともねえな・・・。それがあれば、いいのか?」


そうだ。そうしたら、道は開く


カイキ「やれやれ・・・。長生きしてみるもんだな。よっしゃ!久々の宝探しだ!」


じじい「待っておるぞー。若いのー。」


カイキ「お前話せるのかよ!!!!!」


じじい「そりゃの。ちょっといいとこなんじゃ。」


じじいは小さい端末を持っていた。


俺はその端末を覗き込む。


いやーんもう。えっちぃ。


その端末には淫らな映像が流れていた。


カイキ「エロじじいじゃねえか!このはげ!」


じじい「ハゲとはなんじゃ!この若造が!」


じじいはものすごい勢いで拳を突き出した。


カイキ「がは!?」


俺はあまりの力に、空を飛んだ。体がバラバラになりそうな衝撃だ。


じじい「鍛えて、出直してくるがええ。さて、続き続き。」

孤島とじじいがどんどん離れていく。


負けた・・・。あんなエロじじいに・・・。

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