第9話 アルキ
アルキの食事
ううむ・・・。美味しい。アグ生物の脳みそは新鮮さが大事だ。
『アグ生物 アルキは人間を動物と見ており、殺した際にアグと嗚咽を漏らすのを聞いてアグ生物と名ずけている』
あぁ、特にでかいものは美味しい。やはり生が一番だ。
焼いても茹でても食べられるが、生がいい。
木でできた館も快適だ。何だか眠くなってきた。
『館 北の兵が拠点とした木でできたログハウス。水、食料、火が使える。電気、ガスは通っていない。』
私はしっかりとアグ生物の骨の髄まで食べた。
脳みその次にこの骨を割ったところから出てくるトロトロした液体が美味しい。
食べると体が温まるし、力がみなぎる。
アルキ「あ、あ、あアグ生物。うむむ。こんな感じだったか。クルド隊長・・・?」
『アルキの捕食能力 アルキは生物を食べることで、その生物の経験を学べる。』
すでに、人間を何人か食べたので、言語能力が開花した。
アルキ「そうか。隊長たちにはもう信号が放たれたから、しばらくしたらここに誰か援軍が来るのかな・・・。それに、家族?食事?戦い?何だかアグ生物はいろんなことを知っているな。そうか。アックス、ソード、アーマー、体術戦闘には色々な技術がある。」
だんだんと、世界を把握してきた。
アルキ「私が食べたのは北の国の兵士ということか。あぁ思い出すけで味覚が蘇る。あぁもっと食べたい。」
アルキの食欲は増していた。成長するにつれ、たくさん食べ物を欲した。
アルキは尿意を感じていた。野生の場合、尿や糞は敵に何所を知られるため、こっそり行う。
アルキ「恥か・・・。私のこの服はあまり一般的じゃないのか。防御力も低い。あぁおしっこしよっと。」
アルキは外に出た。
獣の習慣が抜けず、外でする。
アルキは雪に向けて糞尿をするのが好きだった。
アルキ「ふふふ、やはり不思議だ。なぜ私からでる液体で雪が解けるのだろう。たくさん食べてたくさん出せば、雪が溶けて、もしかしたら氷漬けになった魔物が出てくるのだろうか。あぁいつかそれも食べたみたい。きっと美味しいだろうなぁ。」
『アルキの尿 とても強い匂いと酸性をもつ。食べた物によるが、石をも溶かす。』
それにしても、奇妙な経験を思い出した。
唇と唇と合わせると、食事に似たような感覚に陥るらしい。
アルキ「キス・・・。というものなのか。やってみたいが、アグ生物はまだ来ないかぁ。」
アルキは館でくつろいでいた。
よく見ると、備蓄していた獣肉の塩漬けや水がある。
窓を叩く吹雪の音が心地よい。
先ほど壊した窓はアルキがきていた毛皮を被せた。
アルキ「鎧も欲しいなぁ。北の兵の鎧は私には大きすぎるからつけられない。アックスも重すぎて私には使えない。やっぱり毛皮がいいな。狼の毛皮はふわふわしていて暖かいし。」
『狼の毛皮 アルキが愛着している服 雪国に住む狼から皮をはいで製作した。』
アルキ「問題は・・・。東の国か。やはりそちらの方からかなり遠いけど、強い力を感じる。私の強さだと、東も南も勝てない。西にいってもいいか・・・。そうか。そこでしばらく言葉や文化を学びたい。頭のいい民族みたいだし。食べたい。北の国は向かっても、これ以上強い兵士はいなそうだし。何よりあまり楽しそうじゃない。暮らしは雪のせいで貧しく、あらゆる国から搾取することでしか生活をしていない。」
よし。一眠りしたら。西へ行こう。
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