第7話 アルキ
アルキ
北へ向かっていた。
風に乗って、なんだか強い香りがした。強者だ。
やはり自分より強い。今は勝てない。
だが、遠い。もっとたくさん食べて強くならないと。
星を見ながら歩いていたが、夜の移動は危険が多い。
真っ暗な森では月明かりだけが頼りだ。
しばらく歩いていると、建物が見えた。
中はほのかに明るい
私は考えた。あのアグ生物がいる。影が何人か見えた。
ゾクゾクしてきた。あのアグアグ言っていた生物が3人いる。
私は駆け出していた。
北の兵A「ん?タリスが帰ってきたか?」
北の兵B「お?無事か?一人で行くなんていつも無茶だよな。あいつ。」
北の兵C「まぁボスだからな。俺らの。やっぱ強いし、北の兵の若手じゃトップだろ。」
アルキ「うがああああああ!」
私は威嚇のために咆哮し、一目散に対象に向かった。
剣を飛ばし、二人の喉を突き刺す。ここがアグ生物は弱い。
北の兵A「アグ。」
北の兵B「え?」
二人を仕留めた。が。
どん!?
ものすごい音が鳴り響く。
アルキ「が!?」
何かにぶつかった。見えない。目を凝らしても見えない。石のような強度だ。
北の兵C「お、お、バケモノ!!窓にぶつかった?」
アルキ「うぐ。」
不意打ちのせいか動揺したが、問題ない。衝撃はあったがダメージは少ない。
残りの一匹が武器を出した。アックスだ。
こいつは体がでかいから最後にとっておいた。
でかいものは強い。だから最後だ。
北の兵C「ん、人間か。なら容易い。その細身の体で、俺のアックスが受けれるか!」
アグ生物が見えない壁を壊し、こちらに来る。
やはりあそこには透明な壁があった。破片で対象が見えない。
次の瞬間私の体ほどのアクスが飛んできた。
アルキ「ぐ!」
私はアックスの切っ先を素手で掴んだ。
ものすごい力だ。やはり強い。ゾクゾクする。もっと攻撃してほしい。戦ってほしい
北の兵C「止めた!?バケモノめ!それに見えない武器を何かを仕込んでるな。二人ともあっという間に急所をさしやがった。」
でかいアグ生物は動きが早かった。やはりこいつは強い。
北の兵C「は!」
アルキ「ふ!」
彼が繰り出した拳が私に向かってくる。大きい。
私は素手で受ける。全身に衝撃が走る。
どの獣の突進より、重く、痛い。
北の兵C「オラオラオラオラ!どうした!ちびすけ!」
雨のような速度で重い拳が私を打つ
アルキ「あっあっあっ・・・。」
だんだんと手で防げなくなった。頭蓋骨のカブトが砕かれる。
体を伝わる振動が心地よい。
北の兵C「女!?」
カブトが取れて、軽くなった。
私はアグ生物の喉を噛みちぎった。
北の兵C「アグ・・・。バケモノめ・・・。なんて速度だ・・・。クルド隊長に報告せねば・・・。」
美味しい。脂が乗っている。やはり強いものは美味しい。
奴は絶命する前に、妙な機械を操作していた。私には使い方がわからなかったが。何だろう。もらっておこうと思ったが、アックスの方が欲しかった。
アルキ「うがあああああああああああ!」
『アルキの魔術 武器を透明し、重さを無くせる。それを身にまとい、攻撃する。』
半月に吠えた。
今日の獲物は最高だった。アグアグいう生物はどうやら、大きい個体と小さい個体がいる。大きいのは強いし、早い。肉もうまい。
私はこのアグ生物たちの巣をしばらく借りることにした。
脳も食べたいし。何よりここは暖かい。
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