第4話 次元とユニバース理論
彼らにとっては惑星eの重力圏を抜けることだけでも大変なことだった訳だが、彼らは少しずつ理解し始めている。いままでがあまりにも目の前の物質や現象に囚われていたからね。次元とユニバース理論を進めるなかで距離が無くなることにやっと気付き始めたんだ。
「われわれがこうして惑星eを貴重な試料として記録できるのも、まさに次元とユニバース理論を応用しているから、だね」
そうなんだ。物質をエネルギーに変換し次元をスイッチすることで様々な宇宙を往来することができる。それが距離が無くなること、何処にでも行けること、そこには 、何処、 何時、という視点すらない。そのことに気付き始めたことが、弱々しいながら惑星eから信号として出ているね。
「ほんとうの意味で宇宙の仕組みを理解し始めたのかも知れない」
次元とユニバース理論が理解できれば、無限大に思える宇宙の大きさもなくなりすべてのものが、有って無くなり、無くなって有るということになる。外部が内部となり内部が外部となる。距離が失われて、あなたはわたしとなる訳だ。彼らからしたら何万光年もかかることが無くなるのだね。
「そう、もうスペースに乗り物はいらない(笑)」
われわれとコンタクトすることもあと数宇宙(unv)年先には可能かも知れないな。
「andromeda銀河の端に生まれたわれわれがかつてそうだったように」
andromeda銀河はa銀河よりも自転速度が速かった。理論の理解もそのぶんわれわれのほいが早かった。
これからの彼らの進化を見守ろう。
「進歩ではなくて、進化なのだね」
そう、進化だ。もう兆しは始まっている。進化でなければ捕らえられないパルスがキャッチされているのだから。
「彼らにアドバイスはある?」
まず多次元に踏み込む数式を一般化し、宇宙つまりユニバースを多元的にとらえて、それを繋げているエネルギーを理解することだ。それが物質宇宙の成り立ちの元になっている訳だから。
「宇宙(unv)年のなかで、より進化したホモS種に逢えることを期待しよう」
自己複製できる物質として誕生した、宇宙同胞として!。
次元とユニバース理論 KIKI-TA @KIKI-TA
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