本当、あら探しばかりするもんじゃないですね。一体どれだけの幸せが彼女の手からこぼれ落ちたのやら、我々は絶対にマネしないように……。 って言うか、とりあえず誰か彼女を連れ出せよ。
誰もが知る「眠れる森の美女」を現実的視点で描いた、ユーモラスな一作。眠っていた姫を目覚めさせたのは、王子からの接吻。しかしその王子は姫の理想にほど遠い男だった! こんな運命の相手は受け入れられません、という具合に、姫は何と自分から糸車に手を伸ばし、針で自分の手を突き刺す。 そして、次にやってきた王子こそは、今度こそ自分の理想の夫だと信じて、姫は眠りにつくのだった……。 姫の高い理想と、次々にやってくる王子の個性の豊かさに、終始笑いながら拝読しました。大変面白かったです。 是非、御一読下さい。
「眠れる森の美女」そのメルヘンの世界に触れたことがある人は多いでしょう。こちらの作品は目覚めた「その後」のお話です。こちらの美女は、ただものではありません。もしかしたらメルヘンの世界において、決断力、行動力、実行力に最も秀でたお姫様と言えるかもしれません。……とここまで書いて思わず笑ってしまいましたー!(とってもいい意味でです!)三千年の時も、呪いをも越えてゆく物語。そして、王子様たちへ心からのエールを。ありがとうございました!
童話としてとても有名な「眠れる森の美女」。原作は運命の王子様にキスされて目覚めてハッピーエンド。けれど、こちらのヒロインはそう簡単に落ちません。人によっては贅沢だと言いたくなるヒロインですが、どこまでも妥協しないその姿勢が、私にとっては思わず笑ってしまうところでした。女の子は、いつだって運命の王子様を探している。それを強く思わせてくれる作品でした。