第七話 三人の寝具のことをもっとよく知るようです。
「いやまさかコウシロウはもともと肉を食べさせる気がなかったとは」
すき焼きパーティーが終わり次の日、なぜダンゴさんがあたり以外の物を隠したのか聞いてみた結果、コウシロウは肉を最後まで出さずにとんずらこく予定であっと心を読んだマクラから聞かされ、ダンゴさんが隙をついて隠したようだ。
「そういえば、マクラは心を読むけど、それぞれ能力とかあるの?」
「ええ、九十九神には一人に一つ以上何かしら能力が付与されますが、私たちは何せ封鎖された空間から生まれたので、知識などはバラバラなんです」
「確かにダンゴさんはアパート経営の知識がある割にはスーパーとかの知識はなかったもんな」
「なので何でも知ってる頭の良い九十九神もいれば何の知識もなく数字も読めないような九十九神がいるんです」
「へぇじゃあ能力や知識は千差万別ってことなのね」
「ざっくり言うとこんな感じです」
「ちなみにダンゴさんはどんな能力を持ってるの?」
「私の能力は超速計算とコミュニケーションですね」
「なにそれ?」
「今言ってもツクモさんにはわからないと思うので使う機会があれば見せますね」
「ダンゴさん、俺のことバカだと思ってるでしょ」
「ええ……いや、そんなことオモッテナイデスヨ」
「思ってるね、それ」
「これでも高校までは優等生だったんだけどね」
「え! あのツクモさんが?」
「バカにし過ぎでは?」
ダンゴさんの悪意のない悪口に若干精神崩壊しそうになりつつも高校生の頃のことを思い出す。
「お前は何の才能もないクズだな」
「くっ……」
俺がなぜ優等生だった高校生からこんなに落ちぶれてしまったのか……それは父に言われた言葉が原因だった。
金持ちで実力主義、そして結果主義であった父は一番でない俺をひどく軽蔑していた。
欲しいのは実力も才能もない息子ではなく実力も才能もある息子だと。
それを思い出すたびに頭が痛くなる。
そのくらい辛い思いでなのだ。
「大丈夫ですか? 急に顔色が悪くなって……」
「いや、大丈夫……何でもない」
俺は何事もなかったかのように振る舞い、アパート改築のための資金を集める方法を提案する。
「とりあえず、今回やってみたいことがあるんだ」
「やってみたいこととは?」
「バイト」
「バイト……ですか」
「まずは自分の心から鍛えるんだ」
「わしも行く!」
横を見てみると眠りから覚めたフオリが元気よく俺に行ってきた。
「ああ、お前は年齢的に高校生だから行けるな」
「マクラもマクラも!」
フオリの大声で目覚めたマクラもバイトをしたがるが年齢的に無理なので、マクラには待っててもらうことにした。
「えぇーマクラも行きたかったのにー」
「お土産に煎餅買ってきてやるから我慢してな」
「しょうがないなー」
「では早速履歴書を書きますか?」
どこから出したかわからない履歴書をテーブルに三枚置く。
「俺は書けるけどお前たちはどうすんだ?」
「まぁそこは適当に……何とかなりますよ!」
「大丈夫かなぁ」
一時間後、ダンゴさんがバイト先に電話し、面接をしてくれることが決まった。
「突然三人も採用なんてしてくれるのかなぁ」
「私が何とかしますのでお任せください」
「ダンゴの能力があれば何とかなるじゃろ」
「フオリもダンゴさんの能力を知ってんのか」
「当り前じゃ」
「フオリは何の能力を持ってるんだ?」
「見たいか?」
フオリは目をキランと輝かせニヤニヤし始める、フオリはダンゴさんと違って積極的に能力を披露したいのだろう。
「あー! ダメですこんなところで!」
フオリが何かをし始めようとした瞬間ダンゴさんが止めに入った。
「なんでダメなの?」
「ここじゃダメなんです!」
よくわからないので少し想像を膨らませてみる。
「まさか……人に見せられない能力ってことは……裸とかに……」
「んなわけないじゃろ! このたわけが! 本当ツクモは狼じゃな」
「本当ツクモさんは破廉恥です!」
「ツクモお兄ちゃんって妄想力だけは高いよねー」
まさかこんな集中砲火を食らうとは思ってなかったので、俺のガラスのハートがズタズタになりかけるがいつものことなので気にしないことにした。
「じゃあバイトの面接までに時間もあるし、新たな住人を探しに行くかー」
「住人を探しに行くってどうするんですか?」
「まぁ任せろ! でも俺だけじゃ無理だ」
俺は自信満々な顔をみんなに見せながら言う。
「お前らの力を貸してくれ!」
「……」
急な静寂、まさか自分の力が必要になってくるとは思っていなかったので三人とも顔を見合わせ途端に目を輝かせる。
「し、しかたないのぉ」
「ええ、ツクモさんが私たちを必要としてくれるなら……ねぇ」
「マクラ頑張るよ!ツクモお兄ちゃん!」
「おう!サンキューなみんな! じゃあ行くぞ」
俺は走りながら玄関へ行き、靴を数秒で穿きボロボロのアパートのドアを開け外へ出る。
一切振り向かずにアパートから十メートルほど走りみんなが付いてきているかどうかを確認する。
「……」
あるのは風の音だけ、当然のように誰もついてきていない状況に俺は一言だけ言った。
「いや、ついて来いよ!」
その後全員を冷静にそして沈着にみんなを連れ出しある場所に連れていく、アパートから少し離れた場所であり歩いて三十分、バスで十五分といったところか、都心とは少し離れた平和でみんなが心地よく暮らせる場所であろう町であり俺のアパートとは隣町の関係である場所に一つの不動産屋。
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