第一話 僕の家にいる美少女の正体を知るようです。

「んで、お前らはいったい誰なんだ?」


 俺は座布団にあぐらで座りながら、向かいに正座をしている三人の美少女たちに向かって聞いた。


「それはねー! ここにはないものです!」


 最初に口を開いたのは、ピンクがかったショートヘアーの小学生くらいの幼女。


 何をしゃべったのかと思ったが全く意味の分からないことを言い始めた。


「ここにはないもの?」


 そう思いながら子の部屋にないものを探す、はっきり言ってほとんど物がないので何かなくなればすぐにわかるはずだが。


「いつもお前が大切にしている物じゃぞ」


 次に話しかけたのは少し古風なしゃべり方の高校生っぽい少女。


 俺と同じあぐらをかきはじめ自慢げに俺に話しかけてきた。


 正直な話、部屋にあるすべて物を大切にしているので何か最初はいまいちわからなかったが、最も大切にしている物を上げると寝具にたどり着く。


 俺は少し焦りながら布団や枕、毛布のある押入れを開けた。


 見事にもぬけの殻になっていた。


「う……嘘だろ?」


 俺がたどり着いた一つの考察、それはこの三人は寝具が人間化した者ではないと。


「嘘じゃありません、あなたの祖母が昔言ったことを忘れたのですか?」


 紫がかったロングヘアーのお姉さんがそういってきた、その言葉を聞いたとたん昔おばあちゃんから聞いたあるフレーズを思い出す。



 物を大切にすれば物に魂が宿るんだよ。



 その言葉を思い出した途端、嫌な汗をかいた。


「お前たち……本当に寝具に魂が宿ったものだっていうのか……」


「今は、そう思っていただくしかないかと」


 お姉さんは少し困った顔をしながら言った。


「そう……なのか……」


 その時ツクモは思った。


 もし本当に俺が今まで使っていた寝具に魂が宿ってできたものならば、家に三人の美少女が住むことになる。


 多少……いや相当生活が苦しくなろうとも全国の男子がもし同じような状況になったとしたら、ほとんどの男子は喜びの感情を抱くであろう。


 最初は俺も戸惑ったもののいざこうしてみると、割と何とかなるのでは? と思い始めた。

 それにさっき起きた背中に胸があたるラッキースケベがこれからもあると思うと、むしろ少しウキウキし始めた。


「よし! わかった! みんな、仲良くしようぜ」


 俺が元気よく歯をキラキラさせながら三人に向かってグットポーズをしながらいった。

 笑顔をやめ、みんなの方を見た。


「ちょっとそのテンションは気持ち悪いのぉ」


「あ、そうですね~アハハ……」


「アハハ、子のマンガおもしろーい!」


 一人の女子高生はドン引きし、お姉さんは苦笑い、幼女に至っては漫画を読み始めた。


「……」



なんでだよ


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