第八話 マグマグ・ブロッコリー

アウストリア家から少し離れ、俺達希望の小隊は、初めの俺が異世界召還された場所である魔導具屋の近くに来ていた。



 始めの魔導具屋のおじさんの話によると支部の戦士はやる気がなく魔王軍残党のアジトを通報しても、その重い腰を上げないと言う。



 だからこそ支部の師団長にまでその情報がいかないのだろう、まぁその師団長にさえやる気がないのかもしれないが。



「まず魔導具屋に行かないか?」



 俺はまず一番その場所にゆかりがあるであろうマグルスの市民に聞くのが一番だ、だからこそ俺が唯一しゃべったことのある魔導具屋のおじさんに聞くことにした、もしかしたら情報を手にいられるかもしれないからな。



「ああ、かまわんが」



 ロザリアの許可もおり魔道具屋に行くことになった。



「その前に戦士二人方、名前を教えてもらってもいいですか?」



 総帥から派遣された二人の戦士、一人は物腰やわらかそうな美男子でもう一人は勇ましくはあるが女性だったのだ。



「そうだよ、あんたがいる理由も教えてもらおうか」



 ルークが物腰やわらかそうな男性に向けて文句を言うように言う。



「ん? そんなに有名なの?」



 俺がそう聞くとルークもそれに合わせて答えようとする。



「ああ、こいつは」



 そうルークが答えようとした物腰やわらかそうな戦士の男が食い気味に答える。



「私はマグルス支部……所属の……マ……マグマグ・ブロッコリー……と言います」



 なぜか自己紹介にすごく詰まる。人見知りなのかな。



 見た目は百七十センチはあるであろう身長に体も特別仕様の鎧をまとい、その上からマントを着ている。



 普通の人が見たらもっと偉い人るのではないかと勘違いしてしまうくらい、物腰やわらかく、優雅な雰囲気を醸し出し、赤く染まった長髪が目立つ美男子である。




 見た目とは裏腹にとても変な名前は、そのギャップで世の女性達が落とされていくのだろう。

 さすがにそんなことないか…



「ボフッッ」



 そういうとルークは吹き出し大爆笑をし始めた、特徴的な名前とはいえ、さすがに大爆笑はずるいと思う。


 とはいえ横を見ると俺以外全員笑い出していた。



 マグマグが下を向いてうつむくと、その空気を察してかもう一人の女戦士が自己紹介を始める。



「私はマグルス支部所属のアレリア・シクソンです! よろしくお願いします」



 見た目は青色のショートヘアに凛とした見た目に美しい顔立ち、その割に元気な性格。一言で言うととてもかわいい、以上!



「じゃあ、とりあえず行こうか……マグマグさん」



「はい、行きましょうか」



 その言葉を聞くと俺は魔導具屋に急ぐ。



 レイが魔道具屋に急ぐと後ろからマグマグがルークの肩を叩く。



「ん?なんだ?」


 ルークが後ろを振り向き不思議そうにマグマグの方を見るとマグマグはさっきの自己紹介の時の物腰やわらかそうな雰囲気とは違った、少し笑顔の中怒りがこもった表情で話しかける。



「あまり余計なことは言わないでいただきたい」



 マグマグにそう言われるとルークは、ハァと一言ため息をつく。



「わかった、わかった……あんたのことは黙っておいてやるよ」



「そうしていただけるとありがたい」



「お前もお前でやるならちゃんとしろよな」



「返す言葉もない」



 そうマグマグが言うと希望の小隊は魔道具屋に急いだ。




 魔道具屋に向かう途中、赤薔薇騎士団について色々質問した。


 赤薔薇戦士団は総帥の下に七人の師団長がいて、それぞれその七人は支部に配属されている。

 なのでマグルス支部の師団長は七人の師団長のうちの一人なのである。



 そんな話をしているうちに魔道具屋に着く。



「さぁ、なんでもいい! 情報を集めるぞ!」



 俺は勢いよくそういった。


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