6ー3 バスケ部員捕獲作戦!

朝のトークから時間は経過し昼休み


またしても神崎さんから声をかけてくれた

蓮「体育館行く?」

俺「行く!」


クラス内がザワザワと騒がしくなる

(あの神崎さんが起きてる)(なんであいつと話してんだ)(ボッチ同士お似合いじゃないww)

が気にしない


俺と神崎さんは昼休みの体育館に行ってみた

先日同様、球技の練習をしてる人たちが沢山いた


蓮「バスケやってるのはあの子たちね。行ってみましょ」

俺「あ、あの子たちなら昨日もやってたな。でも何も知らなそうだったけど」

蓮「聞き方って大事よね」

俺「おう、そうだな」

蓮「それじゃ、聞きにいってみましょうか」

俺「……何か知ってるといいんだが」


蓮「ちょっと良いかしら?」

?「なんですか?あ、昨日の」

俺「こんにちは」

蓮「あなた達ってバスケ部?」

?「そうですけど」

おお、そうなのか!女子バスケ部なんてあったんだな、知らなかった

蓮「放課後は部活無いわよね?」

女バス「はい。テスト期間ですから」

蓮「最近何か噂になってる事ってないかしら?」

女バス「噂ですか……?」

蓮「そう。例えば、誰も居ない体育館にボールが転がってるって話、とか」

女バス「あ、はい。それなら聞きましたよ。バスケ部の中で誰かが勝手に練習してるんじゃないかって」

蓮「犯人は見つかったの?」

女バス「いえ、そもそも放課後に体育館って入れないですよ」

蓮「そうね。話してくれてありがとね」


黙って後ろで見ていたが、神崎さんって後輩とかに接する時あんな感じなんだな……

可愛いな!


蓮「分かったことは、バスケ部でボールの事が噂になってるって事ね」

俺「そうだな。……それにしても女バスがあるなんて知らなかったよ」

蓮「見れば分かる……わけなかったわね。鈍感だもんね」

俺「えぇ!?俺鈍感??」

蓮「ええ、とっても」

そ、そう…なのか?俺って鈍感だったのか

いや、難聴系主人公とか鈍感主人公とかのラノベ読んだ時は直ぐにキャラの好意には察する方なんだけどな……

まさか俺が鈍感だなんて……

蓮「そんな事より、教室戻るわよ。バスケ部に聞かないと」

俺「そう、だな」

俺、鈍感?ほんとに?信じられない……

敵意とか超敏感な方だと自負してたんだけどな……


所変わって2年A組の教室

蓮「このクラスにバスケ部っている?」

俺「仁なら知ってるだろうから聞いてみよう」

蓮「なんでも田所くん頼みね」

俺「頼りになるんだよ、あいつ。おーい、仁!」

仁「なんだい?」

俺「このクラスのバスケ部員って誰だ?」

仁「えーっと……今は居ないけど、坂木くんがバスケ部だよ」

俺「そっか、サンキュー」



俺「聞いてきたよ」

蓮「彼、何者なの?なんで知ってんのよ」

俺「何者って、ただの情報屋だよ。よくいるじゃん?なんかヤケに人間関係に詳しいやつ」

蓮「普通はいない」

俺「そうなのか……仁って珍しいんだな」

蓮「それで、バスケ部員は誰?」

俺「ああ、坂木ってやつらしい」

蓮「ふーん、今はいないみたいね」

俺「え?分かるの?」

蓮「当たり前でしょ、クラスメイトなんだから」

俺「そ、そうか……当たり前、か」

蓮「それじゃ、放課後に詳しく話聞くわよ」

俺「了解!」


〜放課後〜

神崎さんと俺は坂木くんとやらに声をかけた

すると、坂木くんは何を思ったのか全力で逃げ出したのだった

蓮「追うわよ」

俺「おう!」

二人でバスケ部員の坂木くんを追いかけるが、さすがと言うべきか運動部は基礎が出来てるから速いしスタミナも多い

あっけなく見失ってしまった


俺「はぁ…はぁ…はぁ…はえーよ」

蓮「そうね、しょうがないわね。明日もう一度話かけてみましょ」

俺「さんせー」

蓮「じゃあ、今日は解散」

へばってる俺を置いて神崎さんはカバンを取りに教室に戻っていった


今日も一緒に帰ろうって言えなかったな……


てか神崎さんって体力あるんじゃん!

なんでいっつも寝てんだろう

ホントに眠いだけ?



翌日、登校そうそう神崎さんと坂木くんに会いに行く

仁曰く、坂木くんはC組の友人の所へ行ってるらしい

俺「神崎さんも行くよね?」

蓮「そうね、C組なら近いし」

俺と神崎さんはC組の中を覗く


加藤「あれ?山本くんと、神崎さん?」

俺「ああ、加藤か。こんな所でどうした?」

加藤「こんな所もなにも……私C組なんだけど」

俺「あれ?そうだったか」

蓮「おはよう、加藤さん」

加藤「おはよ。それで、山本くんは何してるの?C組に何か用?」

俺「ああ、ウチのクラスの坂木ってやつがこっちに来てるらしくて」

加藤「坂木くん?誰だろ」

俺「バスケ部らしいんだが」

加藤「ああ!あの男子ね、よく来てるよ。ウチのクラスの木原くんといつも一緒にいるよね」

俺「木原くん?」

加藤「そっか、知らないかぁ。坂木くんと木原くんのコンビは仲良すぎて周りから坂木原サカキバラって呼ばれてるんだよ。一部の女子は二人が恋人同士じゃないかって噂してるの!」

俺「お、おう。そうか……」

所謂BLってやつか、C組の一部の女子は腐女子なんだな……

蓮「それで、彼らは今どこに?」

加藤「知らないよ、そんなの」

俺「知らないか、まぁ仕方ないな。出直すか」

加藤「あ、でも……」

俺「でも?」

加藤「もしかしたら、部活棟にいるかも」

俺「部活棟?」

加藤「さっき話した噂のせいだと思うんだけど、最近は人目を気にして部活棟に行ってるって」

俺「なるほど……ありがと、行ってみるよ」

加藤「どういたしまして!頑張ってね」

俺「ああ、またな!」


C組を後にして、部活棟へ向かう


俺「あのさ、神崎さん」

蓮「何?」

俺「加藤さんと何かあった?」

蓮「いいえ、特にないわ。一年の頃同じクラスで、眠いのにしつこく話しかけてきたから無視してただけ」

俺「お、おう。そういうことか……」

蓮「そんな事より、今は坂木くんの事」

俺「そうだな」


部活棟に入り、何処から探そうか考える

殆どが空き教室の部活棟は隠れて過ごすにはうってつけだ

クズ「やあやあお二人さん!久しぶりだね!」

蓮「あ、先輩」

俺「げ……先輩」

クズ「んー、やや温度差が厳しいね〜。こっちに何か用があったんでしょ?ん?隠れてイチャつく場所でも探してる?」

蓮「そうね」

クズ「え……?ほんとに?二人ってとうとうそういう関係に?」

ポケットからペンとメモ帳、スマホを取り出すクズ先輩

俺「違う!残念ながらな!こっちに二年の男子が二人来てないか?」

クズ「ん?男子二人?……あ〜、彼らか」

俺「来てるんだな?どこに?」

クズ「彼らに何の用があるの?」

俺「話を聞きたいだけさ」

クズ「んー、あんまりおすすめはしないかな……」

蓮「おすすめしないってどういう?」

クズ「あの二人、人間不信になりかけてるみたいだからさ」

俺「人間不信」

クズ「そ、だからそっとしておいてあげたいんだ」

俺「そっか。なら」

蓮「何処にいるの?」

クズ「え?」

俺「え?」

蓮「何処にいるの?」

クズ「蓮チャン話し聞いてた?」

蓮「もちろん、それで何処にいるの?」

クズ「教えられないよ、いくら蓮チャンの頼みでもね」

蓮「そう、先輩にはがっかりよ」

クズ「そうかい」

俺「それじゃ、勝手に探すか」

蓮「そうね」


いざ探しに行こうとすると、チャイムが鳴った

クズ「さ、時間切れだよ。教室に戻りな」

俺「仕方ないか」

蓮「出直しましょ」

俺たちは急いで教室に戻る

そして、先生がくる少し前に坂木くんは教室に滑り込んできた


次にチャンスは昼休みかな


授業中、坂木くんの様子を見る

しかし、変わった様子は無い


ホントに人間不信なのか?




後1限で昼休みだ

そしたら何で俺から逃げるのか、バスケ部内で流れる噂、聞き出さないとな


じゃないと、他のバスケ部員探さないといけないといけなくなる

それは……とっても面倒くさい

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