5ー4 合わせ鏡の真相は……?

カラオケである程度歌った後、休憩がてら合わせ鏡の七不思議について分かったことを話してもらう流れになった

加藤「えーっと、何から話せばいいかな……」

俺「まず、何が分かったんだ?」

加藤「ぶっちゃけ真相までほぼ全部かな」

俺「マジかよ!?俺まだ合わせ鏡の場所すら特定できてないんだけど……」

加藤「場所の特定は無理じゃないかな……」

俺「え?なんで?」

加藤「あの学校に合わせ鏡なんてないからだよ」

俺「そんなわけ」

加藤「正確には無いんだよ」

俺「それって……」

加藤「とりあえず最初から話すね。昔ね、階段の踊り場に鏡が二枚の場所が一箇所だけあったんだって、ある時間にそこに行くと鏡の世界に入って二度と出てこれないって怪談があったらしいんだよ」

俺「そうか、やっぱり場所は旧校舎だったか」

加藤「でね?その当時は家出したって事になったらしいんだ。でも帰ってこなかったらしいよ」

俺「ふむ、失踪か……誘拐とかだったら大変だろうに」

加藤「でも、その話しはそこで終わり。今回噂になった合わせ鏡の怪談とは違うの」

俺「それじゃ、今噂されてる合わせ鏡の怪談は?」

加藤「結論からいうと不登校」

俺「不登校?」

加藤「そう、旧校舎の階段の踊り場でこっそりダンスの練習をしていた生徒が誰かに見られて恥ずかしくて不登校になった、ってのが怪談の正体」

俺「え?ダンスの練習を見られたから不登校になっただけ?」

加藤「そう」

俺「その不登校の生徒って」

加藤「失踪なんかしてなくて、ちゃんと自宅にいたの」

俺「なんだよ、それ……」

加藤「そう思うよね、私たちも同じ気持ち。でも、これが真実。その生徒の事知ってる先生に聞いたから確実な情報よ」

俺「そっかぁ……」

加藤「幽霊の正体見たり枯尾花ってこと」

俺「誰が噂なんて流したんだか……」

加藤「それはわかんないけど、多分最近学校に来てないって事から最後に見られたのが旧校舎の怪談の踊り場って事で推測と尾ひれが付いた結果なんじゃないかな」

俺「そうだな……はぁ……ありがとな、詳しく調べてくれて」

加藤「ううん、恩返ししたかったから」

俺「だから別に俺は恩なんて」

加藤「私がそうしたかったからそうしたの」

俺「そっか、ならしかたないな」

加藤「私たちの聞き込みで真相まで分かっちゃうなんて思わなかったからビックリしたよ」

俺「それはこっちのセリフだよ。まさか協力者だけで真相まで辿り着いちゃうなんてな……俺、まるで役立たずじゃん」

加藤「そんな事ないよ!」

俺「そ、そうか。……ありがとな」

加藤「ううん、役に立ててよかった」

俺「みんなに今度なんかお礼するよ」

加藤「別にいいのに」

美久「なにかくれるんですか!」

翠「私は特に何もしてないので、気持ちだけでいいです」

蒼子「そ、その!また一緒にカラオケ来たい、です」

俺「ああ、そうだな。またみんなで来るか」

今度は神崎さんも誘って……

蒼子「ソウデスネー」

翠「……」

美久「…………」

加藤「……はぁ」

あれ?なんで呆れてんの?俺そんな変な事言ったか!?


そんな感じで休日の報告会は終了した

翌日、神崎さんにこの話しをした所

既に知っていて、なんと不登校の生徒の名前まで把握していた!

神崎さん、恐ろしい娘!


神崎さんは俺の報告を聞いている間もずっと眠たそうにしていた

まぁ、既に知ってる内容を聞かされたんから退屈だったんだろうな……


よし!次こそは神崎さんとの仲を深めるぞ!!

もうテコ入れとか言わないと良いな……やっぱり一緒に調査したいし!

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