5ー2 踊り場の合わせ鏡 調査員募集中!

翌日、登校するなり仁に踊り場の合わせ鏡について聞いてみた

仁「そもそも踊り場の合わせ鏡って何処にあるんだ?」

俺「ん?あれ?どこだろ……」

仁「それすら知らずに聞き込みしてるのか?」

俺「それはそれ、これはこれって事で」

仁「なにがどれだよ。まぁいいや、踊り場の合わせ鏡については全く聞いたことないよ」

俺「そうか」

仁「何か聞いたら教えるよ」

俺「頼むよ!それじゃ、俺は昼休みに協力者を探しにいくかな」

仁「まぁ、頑張れ」

やる気なさげにエールをくれる仁はスマホに夢中になっていた

なんかゲームでもしてるのかな……


さてと授業中に次の協力者の候補探しだな


次は人体模型の時に話すようになった人の中で話しかけやすい人だな

人体模型の格好してた先輩はちょっと話しかけにくいよなぁ

とすると……翠ちゃんか

一年生の教室に俺が行っても大丈夫かな……

ま、なるようになるか




昼休み、俺は一年生の教室が並ぶ廊下に来た

う〜む……やはり浮いてるな!

このヒソヒソと話題にされる感じは中学の頃から慣れないな

今はそんな事気にしてる場合じゃないよな、うん

気にしたら負けだ!


蒼子「先輩……こんな所で何してるんですか?」

俺「ん?ああ、蒼子ちゃん。翠ちゃんにも協力してもらおうと思って探しにきたんだけど中々見つからなくてね」

蒼子「女子トイレの前で?」

まるで変態を見るような目で見ないでくれ!!

俺「え?あれ?いや!誤解だ!たまたま立ち止まったのがここだっただけで!いや、そんな事より移動しよう!蒼子ちゃん、翠ちゃんのクラスに案内してくれるかな?」

蒼子「はぁ……わかりました。こっちです」

蒼子ちゃんに案内され1年C組の前まで来た

蒼子「ここです」

一年生「あれ、蒼っち?その人誰?カレシ?」

蒼っちって呼ばれてるんだ、後で『頑張るぞい!』って言ってもらおうっかな……

蒼子「ち、違うし!変な勘違いしないでよね!」

一年生「そっかー、違うのかー」

蒼子「それより姉さんは?」

一年生「いるよー、みーどりー!蒼っちが呼んでるよー」

翠「え、あ!何!?」

蒼子「ちょっと来て」

翠「うん?」

俺「やっ、翠ちゃん。久しぶり」

翠「あ、先輩?」

俺「ちょっといいかな?」

翠「はい……?」

翠ちゃんと蒼子ちゃんの二人を連れて廊下の隅に移動する

翠「えっと、なんで蒼ちゃんと先輩が一緒に?」

俺「翠ちゃんに話があって来たんだ」

翠「……なんですか?」

俺「ああ。実はまた七不思議の調査をしてるんだけど、その協力をお願いできないかなって」

翠「え?七不思議?私てっきり……」

俺「ん?てっきり?」

翠「蒼ちゃんと先輩がおつ」

蒼子「わーー!わーー!」

俺「ん!?どうした!?蒼子ちゃん!?」

蒼子「な、なんでもないです」

俺「翠ちゃん、てっきり……何?」

蒼子ちゃんが翠ちゃんを睨む

翠「あ、いえ、何でもない、です。えっと、七不思議の調査ですよね!蒼ちゃんも手伝ってるんでしょ?」

蒼子「うん」

翠「なら、私も手伝います。詳しくは蒼ちゃんから聞きますから、先輩はもう戻った方がいいと思います」

俺「え、説明は」

翠「……先輩、また変な噂が」

そう言われて周囲に気にすると、ヒソヒソと話す声が多くなったような気が……

もしかして……これって、一年生女子二人に詰め寄ってる様に見えてるんじゃないか?

俺「た、確かに……これ以上変な噂が広まったら学園生活に支障をきたすな」

蒼子「そうですよ」

俺「それじゃ、蒼子ちゃん後頼んだ!」

蒼子「はい」

俺「何か分かったら知らせてくれ、そんじゃまたね!」

俺は慌てて早足で一年生のクラスから離れる


俺「ふぅ……」

ここまで離れれば何とか大丈夫そうだな


さて、協力者はこれで足りるだろうな

次は場所の特定だな

聞き込みで見つかる可能性もあるけど、俺は俺で独自に調査しないとな

何もしてないって言われかねない


とりあえずこっちの校舎の階段からだな

5限目の5分前のチャイムがなった

おっと、休み時間が終わりそうだ

教室に戻らないと!


その後5、6限をテキトーに過ごして放課後が訪れる


俺「さてと、行くか」


こっちの校舎にはABCDと4つの階段がある

そして三階建ての校舎だから踊り場は階段一つに3つ、かける4つで合計12箇所か

よし、近いのはC階段だから……D階段まで行ってD→C→B→Aの順番で回ろう

今二階だから一度三階に上がって降りるか……


一人D階段に向かう

神崎さんは教室でまた寝ていた

なんかいつも以上に話しかけるなオーラが出てて今日は一言も話せなかった……

あぁ!神崎さんの声が聞きたい!


いや!気持ちを切り替えろ!

これは神崎さんを振り向かせるための絶好の機会なんだ!

俺がこの七不思議を先に解き明かせば……

蓮「やるじゃない、見直したわ。これからはもっと頼りにするから、よろしくね」

なーんて!なーんて!ぐへへへへへ

俺「よしっ!行くぞぉー!!」



浮かれ気分でD階段に到着した

登るぞ!

三階に上がる途中の踊り場には鏡は一枚だけしかなかった

合わせ鏡って事は二枚の鏡が向かい合って設置されてるはず

よし、屋上との間の踊り場も確認っと

こっちはそもそも鏡が設置されてすらいなかった

とりあえず降りるか

三階へ、二階へ、そして一階と二階の踊り場に着くもやはり鏡は一枚しかなかった


俺「ハズレか……よし、次!C階段だ!」

一階の廊下を通りC階段まで向かう


しかし、C階段にも合わせ鏡は無く

B階段、A階段と調べ尽くすも何処にも合わせ鏡は存在しなかった


俺「と、いう事は旧校舎だな」

旧校舎に行くとほぼ確実にクズ先輩あの人に合うんだよなぁ……イヤだ……

階段の登り降り疲れたし……今日は帰ろう……そうしよう


協力者が手に入ったけど、これといった成果は何もなかったな


よしっ、明日は学校休みだし積んであるギャルゲやるかな!

あ、アニメも見ないとな……今期は新規アニメより続編2期3期が多くて見るの楽しみなんだよな!

あとは……ラノベは確か発売日まだ先だったから大丈夫だな

よし、アニメとギャルゲ三昧の有意義な休日を過ごすぞ!


(この時の山本大地は気づいていなかった……

 この楽しい休日の過ごし方がとんでもないイベントのフラグになっていることを……)

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