4ー3 いざ、放送室!!

俺と神崎さんは保健室から2年A組へ戻る


蓮「おまたせ」

?「いえ、そんな」

俺「えっと……あっ!森さん!!」

森「ひっ!暴力反対です!近寄らないでください!!」

俺「いや、俺暴力嫌いな平和主義者だよ?」

森「嘘です!神崎さん!?なんで山本くんがいるんですか!?」

蓮「体調が回復したみたいだから連れてきたの」

森「そんなぁ……」

蓮「大丈夫、私の方が強いから。何かあったら私が止める」

森「え?神崎さんの方が、強い……?」

俺「そうそう!俺の方が弱いから!安心して!」

蓮「情けない……」

森「ほんとですか?嘘じゃないですよね?」

蓮「ほんとよ」

神崎さんはおもむろに拳を握り俺の腹に突き込む

俺「ぐえっ……」

orz

良いパンチ持ってんじゃねぇか……

森「ほんとに弱い……」

一発KOを貰った俺を見て森さんは警戒を解いてくれた


蓮「それで、あの放送についてなんだけど」

森「私もそんなに詳しくはないんですけど……あの放送は確かに放送室からのものです。放送室以外は職員室くらいしか校内放送の設備がありませんから」

蓮「でも、放送委員の誰も原因を知らない?」

森「はい。放送委員の担当の先生も機材について詳しくないので、原因が分からなくて」

俺「ふぅ……それは、困ったね……」

森「あ、復活した」

蓮「もう一発逝っとく?」

俺「いくら神崎さんからの接触でもパンチは辛いから勘弁してください」

森「え……、二人ってそういう関係なの?」

蓮「違うわ、言い寄られて困ってるの」

俺「え!?俺困らせてるの!?」

森「二人は仲悪いの?」

蓮「いえ、そうじゃないの……えっと、なんて言ったらいいかしら……奴隷?じゃなくて、下僕…でもなくて……手足の様に使える……そう、使いっパシリ!」

俺「パシリ!?」

森「そう、なんだ」

蓮「そんな事より、放送委員の中に機材に詳しい人はいないの?」

俺「そんな事……」

森「えっと、多分いません」

蓮「多分?」

森「はい。一度全員を集めて委員長が聞いてみたんですが、誰も知らないって」

蓮「そう……」

森「それで、どうしますか?放送室行ってみますか?」

蓮「そうね、行ってみましょう。何か分かるかもしれない」

俺「よし、行こう!」

森「え……来るんですか?」

俺「……行っちゃダメなのか?」

森「ドアの前までなら」

俺「出禁!?」

蓮「しょうがないわね、日頃の行いが悪いから」

俺「そんなぁ……」

蓮「いいから行きましょ」

森「はい、それじゃ付いてきてください」


森さんに案内され放送室へ向かう



……ん?

こっちの方って保健室じゃ……


森「ここです」

着いたそこは保健室の隣だった

蓮「ここ、だったのね」

あ、神崎さんも知らなかったようだ

森「それじゃ、山本くんはここで」

蓮「大人しく待ってる事、いい?」

俺「おう、分かったよ……入ってみたかったなぁ」

蓮「それじゃ、中行きましょ」

森「はい」


森さんと神崎さんが放送室の中に入って行き、廊下に一人残される俺


暇だなぁ……



保険医「あ、君帰ってなかったのかい?」

俺「ええ、まぁ」

保険医「病み上がりなんだ、早く帰って家でゆっくり休みなさい」

俺「はーい」

と返事だけしてやり過ごす

保険医は職員室の方へ歩いて行った……会議かな?


待てども待てども出てこない神崎さん……早く会いたいよ


クズ「おお!こんな所にいたのか!探したよ〜」

俺「くそ、厄介なのに見つかった……いや、一発ぶっ飛ばしとくか」

クズ「なんだいなんだい?穏やかじゃないね?どーした?先輩に話してみ?ん?」

俺「一発ぶん殴らせてください」

クズ「ふっ、君が私を殴る?そんな事ほんとにできると思ってるのかな?」

ブチッ

俺「くそがぁぁぁ!!……グフッ……」

殴りかかり近づいた途端、カウンターで股間に蹴りをもらう

クズ「ボディがガラ空きだぜ」

俺「く、そ……」

そこはボディとは言わねぇ……

|||orz

俺が股を押さえ膝を着いた所で放送室のドアが開いた

森「うわぁ……」

蓮「……何してるの?大人しくしてなさいって言ったでしょ?」

クズ「あ、蓮チャン!」

蓮「あ、先輩。こんにちわ」

クズ「うん、こんちわ!今時間ある?」

蓮「何か用ですか?」

クズ「うん、旧校舎の方で少し新しい発見があったからさ」

蓮「発見ですか?」

クズ「そ!時間あるなら少し部室来てくんないかな?」

蓮「わかりました。それじゃ森さん、私たちは先輩と行くから……中見せてくれてありがとね」

森「あ、いえいえ……それじゃ、原因分かったら教えてね?」

蓮「ええ、もちろん。それじゃまた明日」

森「うん、また明日」

蓮「いつまで蹲ってるの?」

俺「もう少し……もう少しで回復できる、から」

蓮「なら……先に行くから」

俺「そこは待ってくれるんじゃないの!?」

蓮「時間がもったいない」

俺「そんなぁ……」

くそっ……

なんとか立ち上がりジャンプしてみる

うん、ダイジョウブ

変な汗を袖で拭う

蓮「やればできるじゃない」

俺「お、おう……ふぅふぅ」

クズ「そんじゃ行くよー」


クズ先輩を先頭に神崎さん、俺と続いて漫研の部室に向かう



漫研の部室に到着そうそうクズ先輩は部室のドアの鍵を掛けた

蓮「先輩?」

クズ「ん?ああ、用心の為だよ」

俺「何に用心するんですか」

クズ「それはまぁ、色々と」

蓮「それで、新しい発見ってなんですか?」

クズ「うん、コレなんだけど」

クズ先輩が取り出したソレは古い見取り図だった

蓮「これはっ……」

クズ「凄いでしょ、開かずの教室を探索してて見つけたんだけど」

俺「締切は大丈夫なんすか?」

クズ「それは、まぁ、なんとかなるよ……コレは気分転換がてら探検に、ね」

俺「へぇー、気分転換ですか」

あれか、テスト勉強しようとしてたのにいつに魔にか部屋の片付けをしてしまう現象

蓮「これ、旧校舎の見取り図ですよね」

クズ「そう!そうなんだよ!二人の何かの役に立つんじゃないかって思ってね!」

蓮「…………あ、ここ」

神崎さんが図の一点を指す

そこには放送室の文字が


俺「もしかして、ここからあのノイズが?」

蓮「多分そう」

クズ「役に立った?ねぇ、役に立った?」

蓮「はい、これは助かりました」

俺「おおー!!もしかして解決まで後一歩って感じか?」

蓮「それは行って見ないと分からない、けど何か進展はあるはず」

俺「よっしゃ!行ってみよう!」

蓮「そうね」

クズ「ちょーーと待った!!」

俺「なんすか?」

クズ「役に立ったなら、恩返し!恩返しを所望する!」

俺「恩着せがましい……」

蓮「恩返しって、何を?」

クズ「原稿手伝って!!アシの予定の子が急に来れなくなって!人手が足んないの!!」

蓮「私漫画とかよく分からなくて、それでもいいなら……」

クズ「ありがとー!!大丈夫!誰でもできる簡単な作業だけだから!!」

蓮「それなら、いいですよ」

俺「……わかりました」

クズ「よかったぁ!それじゃ、蓮チャンはここのベタ塗りして」

蓮「ベタ塗り?」

俺「黒インクで範囲内を塗り潰す作業の事だよ」

蓮「はみ出たりしたら……」

クズ「大丈夫!言ってくれればすぐ直せるから!で山本くんは」

俺「トーンでも貼りますか?」

クズ「さすが元部員!頼むよ!トーンの場所と番号は書いてあるから」

俺「りょーかいっす」

クズ「それじゃ、力を合わせて一気に仕上げるよ!」

三人「おーーー!」



そして最終下校時刻まで作業はずっと続いた

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