4ー2 突撃!隣は放送室!

翌日目覚めると

俺は身体のあっちこっちが痛かった

全身が気だるく、肌寒さを感じていた

更に喉も痛く、これじゃまるで……まるで……風邪みたいじゃないか!?

しかーし!俺は登校する!何者に変えても!

今日は神崎さんと謎の放送の調査をする約束をしてるんだから!!!


息を切らし、汗を大量にかいて、それでも俺はなんとか学校に着いた!!


俺「おはよう、仁」

仁「おはよ、ってどうしたんだ?」

俺「何が?」

仁「汗凄いよ」

俺「今日は暑いからな」

仁「そうでもないよ、それに顔赤いぞ」

俺「実は、今日神崎さんと約束があって……緊張してるのかな……ハハ」

仁「いや、どう考えても体調悪いだろ?」

俺「そんなことないさ、絶☆好☆調!ゲホッゲホッ……大丈夫大丈夫、無問題もーまんたい

仁「いや、このままだとぶっ倒れんぞ?」

俺「ふ、そんなにヤワじゃねぇさ」

仁「フラフラじゃん、とりあえず保健室行けって」

俺「ヤバくなったらな」

仁「もう十分ヤバいだろ……」

そんな会話を最後に俺は机に突っ伏して耐え難い睡魔に負けて……

そう、これは睡眠だ……断じて気絶したわけじゃ……




ゆさゆさ、ゆさゆさ

ううん?なんだ?誰かが俺を揺すってる……?

?「……て…きて…………」

眠いんだ……寝かしてくれ……

?「……はぁ」

うん、諦めてくれ、俺はこのまま眠ってたいんだ


ゴンッ!!

俺「いってぇーーー!」

突如後頭部に衝撃が走った

蓮「起きて」

俺「あれ?神崎さん?」

蓮「なんで君が寝てるの……もう」

俺「あ、ごめん。なんか耐え難い睡魔に襲われて……」

蓮「まったく……ねぇ?ちょっと顔色悪くない?」

俺「そんな事ないと思うゾ」

蓮「もしかして、体調悪いの?」

俺「いや、元気元気!!超元気!」

蓮「ちょっとそこで跳ねてみて」

俺「え…カツアゲ?」

蓮「違う……いいから跳ねる」

言われるがままに立ち上がりジャンプする

俺「おっとっと……寝起きでバランス悪かったかな」

よろめいて机に手をつく

蓮「はぁ……体調悪いなら素直に言いなさいよ」

俺「いや大丈夫!ほんと!ちょっとバランス崩しただけだから!」

蓮「保健室、行くよ」

俺「いや、なんとも無いって!」

蓮「行・く・よ」

俺「は、はい」

俺は神崎さんに連れられて保健室に行った


蓮「失礼します」

俺「しつれーしまーす」

保険医「はいはい。どうしたんだい、今日は」

蓮「この人、体調不良なので連れてきました」

俺「俺元気ダヨ?」

保険医「どれどれ……」

額に保険医が手をつける

ヒヤッとした手は心地良かった

保険医「うん、熱あるね。体温計脇に挟んでそこのベッドでじっとしてて」

俺「いや、俺は」

保険医「いいから、言うこと聞く」

俺「……はい」

渋々体温計を脇に挟んで横になる

保険医「学年とクラス、名前教えて」

俺「…………」

蓮「二年A組のや、やま……山田くん」

俺「山本だよ!?」

保険医「2ーA山本くん、ね。先生には私から伝えとくから、君はもう教室に戻りなさい」

蓮「はい。じゃあね山本くん」

俺「ちょ、待って」

保険医「はい、動かない」

ぐっ、くそ、身体が思うように動かない……

ピピピ、ピピピ、ピピピ

体温計から計り終えた事を知らせる電子音が鳴る

保険医「どれどれ?ふん7度8分か、やっぱり熱があるみたいだ。私は担任の先生に伝えてくるから大人しく寝てるように、いいね?」

俺「…………はい」

俺の返事を確認すると保険医は職員室に向かった


あーあ……このまま帰宅ってなったら神崎さんと調査出来ないな……

せっかくのチャンスを棒に振るなんて……


なんかもうどーでもよくなってきた……このまま寝て……










いつの間にか意識がなくなっていた……










あれ?

あのまま寝ちゃったのか……?

うん……えっと……今何時だ?

壁の時計に目をやる

三時半か

てことは午後の授業終わったあとか……

さて……どうしたもんかな

手を握って開く、問題なく動くな

足も、うん、問題ない

俺「よっこらせっと」

上体を起こし肩を回す、うん?

なんともない……?

確かに体調不良だったはずなのに、全快してる?

なんでだ?薬は……飲んでないな

保健室ここに来てからやったのは体温計で熱計ったことくらい、だよな?

知らない間に点滴でも射たれたか?

腕を確認するがどこにもそれらしい痕はない……


ふむ…………分かった!

ギャルゲの神様が治してくれたんだ!

ありがとう!神様!そしてありがとう!


よし、まだ調査に行く時間はある!

ということは神崎さんと一緒に行動できる!

とっ、いうっ、ことはっ!!好感度上げのチャンス到来!!!!

よっしゃあぁぁぁぁ!!!!

今すぐ教室に戻れば、神崎さんならまだ寝てるはず!


ベッドから出ると、保険医がいた

俺「あ、せんせー」

保険医「んー?体調はどうだ?」

俺「完・全・回・復です!」

保険医「そうかそうか、彼女も看病した甲斐があったみたいだね」

俺「え?彼女?」

保険医「ああ、休み時間の度に君の様子を見に来てたからね」

俺「え?ええ?」

か、彼女って……神崎さん!?もしかして神崎さんが俺の看病に!?

保険医「ん?そんなに驚いてどうしたんだ?」

俺「いや、だって……」

休み時間の度に様子を見に来るなんて、神崎さん……そんなに俺の事……

保険医「あ、そうそう。君が起きたらコレを渡してくれって」

そう言って保険医が一枚の折り畳まれたメモを渡してくれる

神崎さんからの手紙!?

震える手で慎重に開くと……


山本くんへ

目を覚ましたなら今すぐ漫研の部室に来ること

By愛しの先輩より♡


……

…………

………………



スーーーーー、くっそっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!

あのヤロウクズ先輩……ぜってーー許さねぇぇぇぇぇぇ!!!!


俺「ありがとうございました、お世話になりました……」

保険医「あれ?どうした?なんかいきなり元気なくなったけど、もしかして回復してなかったのか?」

俺「いえ、大丈夫です。このメモを書いたヤツをぶっ飛ばさないといけないので、失礼します」

保険医「んん!?女性に暴力はダメだよ!?」

俺「ハハハ……何言ってるんですか?」

保険医「ああ、そうだよな。言葉の彩だよな」

俺「あれは悪魔です。だから問題ないですよ」

保険医「君はどうしたんだ!?やっぱりまだどこか悪いんじゃないか!?」

保険医が出口を塞ぎ立ちはだかる

俺「センセー、そこどいて、アイツ殴れない」

保険医「そんな目をした君をここから出すわけにはいかないよ!」

俺「どいてください!俺は殺らなきゃいけないんだ!!」

保険医「なにをする気か知らないけど、問題行動を起こす生徒を野放しにはできない!」

?「失礼します。先生、山本くんの様子は」

俺「っ!?神崎さん!?」

保険医「ああ、君は彼のクラスメイトだよね?彼を取り押さえるから他の先生を連れてきてくれるかな?」

蓮「え……?」

俺「ヤダなぁセンセー、取り押さえるだなんて……まるで俺が正気を失ってるみたいじゃないですか」

保険医「正にその通りだろう!?」

俺「何言ってるんです?俺、これから神崎さんと約束あるんで」

保険医「……?正気に戻った……?」

蓮「えっと先生?彼はもう大丈夫なんですか?」

保険医「あ、ああ。体調は問題なさそうだ……ただ精神の方が……」

蓮「それは元からおかしいので」

俺「酷い!」

保険医の先生は真剣な眼差しで俺の目を見つめてくる

保険医「ほんとに何もしないね?問題起こさないね?」

俺「不良じゃあるまいし、しませんよ」

保険医「……そうか。わかった。行っていいよ」

俺「はい。お世話になりましたー」

蓮「失礼しました」


俺と神崎さんは保健室を後にした



蓮「それで?先生に何したの?いつも落ち着いてる先生があんなに取り乱して、何やらかしたの?」

俺「何もしてないよ!ただ、碌でもないメモを残したヤツに仕返ししに行こうとしただけ!」

蓮「それって…」

俺「ああ、クズ先輩だよ。今度会ったらタダじゃおかねぇ」

蓮「メモになんて書いてあったの?」

俺「ん?ああ、目が覚めたら部室に来いって……ったく、ふざけやがて」

蓮「行かないの?」

俺「ああ、行かない。それより神崎さんが様子を見に来てくれた方が重要!!超重要!!」

蓮「今日の調査、私だけでやろうと思ったからそれを伝えに行くつもりだったんだけど……その様子じゃ、付いてくるよね……」

俺「あったり前!!何でも手伝うから同行させてください!!お願いします!!」

蓮「まぁ、いないよりマシだからいいけど」

俺「よっし、それじゃ何からする?」

蓮「一旦教室戻りましょ、人を待たせてるから」

俺「……誰?」

まさかクズ先輩じゃないよな……?


もしクズ先輩だったら、俺の右手が暴れだすぞ(中二病乙)

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