2ー3 夜の音楽室から響くピアノ 実は気のせい?

俺は神崎さんと協力して学校の七不思議の一つ

夜の音楽室から聞こえるピアノの音を調査する

そう!これは協力だ!

聞き込み、調査は俺の担当なのだ!!

……一緒に行動できると思ったのになぁ!

ほんといっつも寝ててさ!少しは俺の相手してくれもいいいじゃんか!


翌日、俺はクラスメイトの仁に音楽室の七不思議について聞いてみた

仁「知らねーな」

俺「そう、か」


さて……どうしたものか……

後、話しが聞けるとしたら……あそこか

放課後にでも行くか

気乗りしないなぁ


授業中や、休み時間のたびに神崎さんの様子をみるとやっぱり寝ていた


そして放課後

俺は一人で吹奏楽部の元へ向かった




俺「こんちわー」

男「ん?あんた誰?」

俺「2ーAの山本っていいます」

男「2年の山本、だと!?こっち来んな野蛮人!!」

えぇぇぇーーーー!?

俺「いや、ちょっと話し聞かせてほしくて」

男「来んな!」

すっげー警戒されてる……

俺「あのー、誰でもいいんで話し聞かせてほしくて」

神崎さーん!助けてー!

男部員「部長!追い返してくださいよ!」

女部員「そうよ!部長!なんとかしてください!」

部長「はぁ、仕方ない。僕が話しをしてくるから皆は練習しててくれ」

部員「はーい」


部長「ここじゃ不味い、付いてきてくれ」

吹奏楽部の部長はボソッと言って横を通り過ぎて歩き出す

とりあえず後を付いていく

しばらく歩いて人気のない階段の踊り場まで行くと立ち止まり振り返る

部長「それで、何?忙しいんだけど」

俺「ああ、夜にピアノの音が聞こえるって噂を聞いたんだ。ほんとに聞こえたのかなって」

部長「へぇ、耳がいいんだな。確かにその噂は真実だ」

俺「そっか。詳しく聞きたいんだが」

部長「断る」

俺「なんで?」

部長「言ったろ、忙しいんだよ」

俺「そっかぁ、仕方ないな。聞けるまで毎日通うか」

部長「はぁ?……なんでそこまでするんだよ?」

俺「気になる子を振り向かせる為!!」

キマった!!

部長「は?あんたふざけてんのか?」

俺「いや……大真面目だ」

部長「……毎日来られたら練習にならないな。俺が知ってる事だけ話してやるからもう来んなよ」

俺「そうか、助かるよ」

部長「つっても実際に俺が聞いたわけじゃないからな。部員達の間でいつの間にか広まってた話しだ」

俺「確認しに行ったんだろ?」

部長「俺は行ってないからな」

俺「じゃあ何を根拠に噂が真実だって?」

部長「そりゃ、部員を信じてるからだ」

俺「へぇー」

部長「それで、ぶっちゃけ何が聞きたい?知ってる内容なら教えるからさっさと帰ってくれよ」

俺「確認しに行った部員の証言が事実か俺も確認したい。どうやって夜の学校に忍び込んだ?」

部長「……さぁな、知らね」

俺「知らない?じゃ、今から聞きに行ってくんない?なんなら俺が直接」

部長「やめてくれ、そう何度も練習を中断されたくない」

俺「じゃあ、明日までに聞き出してきてくれよ」

部長「なんで?」

俺「イヤなら今から俺が直接聞きに行くかな……教えてくれるまでずっと」

部長「わかった!わかったから、もう来んな!」

俺「ありがとう。協力感謝する!」

部長「じゃ、明日の昼休みにここでいいな」

俺「ああ!とても助かるよ」

ニヤァっと悪者っぽい笑みを浮かべると部長はおぞましいモノでも見たかのように気持ち悪そうな表情を浮かべた

おっかしーな……怖がると思ったんだけど……




〜翌日の昼休み〜


待ち合わせ場所に俺が着くと部長は既に待っていた

俺「ごめん、待った?」

部長「チッ……おっせーよ」

俺「いやぁ、申し訳ない。それで?どうやって忍び込んだって?」

部長「音楽室の窓、あんだろ」

俺「ああ、なかなか大きな窓だよな」

部長「あの窓の近くにどこからも見えない死角になる場所があるんだとさ。そこでずっと待っていたらしい」

俺「へー、そうなのか」

部長「もういいだろ?」

俺「あと、もう一つ」

部長「んだよ」

俺「そこって吹奏楽部の人みんな知ってるの?」

部長「いや、確認しに行った奴らと俺だけだ。広まれば確認しに行くバカが増えるだろ」

俺「そーだな。バレたら大変だもんな、時期的に」

部長「そうだ、もうすぐ大会なんだ。だから、もう」

俺「ああ、もう関わらないようにするよ」

部長「それじゃあな。もう二度と声かけんなよ」

俺「ああ」

凄い嫌われ方だなぁ

まぁ、とりあえず大まかな場所は分かったし今夜あたり確認しに行くかな



教室に戻るとまたクラス内がざわついた

クラスメイトのヒソヒソ声で「帰ってきたぞ」「今度は何をやらかしたんだ」「あいつ何考えてんだ」

などなど、謂れのない非難が聞こえる

いや、うん。ほんとに何もしてないのに何で?

気にはなるが、多分教えてくれないだろうなぁ


??「あの、山本くん」

俺「……はい?」

え?誰?知らない人から声かけられちゃったよ

もしかして、クラスメイトの方ですか?

??「生徒指導の先生が、職員室に来るようにって」

俺「俺?」

うんうんと頷く

そっかー、通りでざわつく訳だ

そんなざわつく教室の中でも変わらず寝ている神崎さん

まぁ、例え起きてても関わってこないだろうけどネ!


くそっ!俺が何したってんだよ!

(↑旧校舎のドアを破壊しました)


しかたない、行くか

俺「そっか、教えてくれてありがと」


職員室に向かうと入口付近で生徒指導の岡崎先生が待っていた


岡崎「こっちこい」

生徒指導室に案内される俺


岡崎先生は椅子に座り、対面に俺が座るように促す

もちろん促されるまま俺も座る


岡崎「あのな、山本」

俺「はい」

岡崎「とある部活からクレームが入っている」

俺「それは大変ですね、先生(顔が)怖いですからねー」

岡崎「俺じゃねぇよ!山本!お前だよ」

俺「俺が何したっていうんですか!こんな善良な生徒を捕まえて!」

岡崎「善良な生徒は学校を壊さない」

俺「そっすね」

岡崎「なんと言ったらいいか……お前が部活の邪魔をしてくるって内容なんだが心当たりは?」

俺「吹奏楽部、ですね。ちょっと聞きたい事があって、昨日練習場にお邪魔したんですよ」

岡崎「そうか」

俺「でも、もう用無いんで行きませんよ」

岡崎「それなら良いが」

俺「それじゃ、俺は午後の授業の準備あるんで」

岡崎「ちょっと待て、もう一つ」

俺「なんですか?」

岡崎「2年C組の加藤って女子知ってるか?」

俺「いえ?誰ですか?」

岡崎「そうか、知らないならいいんだ。もう問題起こすなよ」

俺「はーーい」


2年C組の加藤さん、か……仁にでも聞いてみるかな


教室に戻るとまたざわついたが、午後の授業が始める時には静かになっていた



放課後、仁に加藤さんについて聞いてみたところ

仁「ああ、ここ最近学校休んでる子だよね。もしかしたらイジメにでも遭ってるんじゃないかって噂の」

ということらしい


いくら俺がアレだからってなんでも俺のせいにするのは酷いと思うな!


さて、俺は夜まで時間を潰すために図書室に行く


図書室に入ると見知った顔があった

司書「何しにきた」

司書のおじさんだ

俺「ちょっと一人になりたくて」

司書「少しでも騒いだら叩き出すからな」

俺「大丈夫ですよー、俺大人しいですから」

司書のおじさんは忌々しげな表情で貸出カウンターに入っていった



さて、寝るか












そして、生徒は全員帰らなければならない時間

下校時間になった



さて、行くか!

俺は図書室から出て一度靴に履き替える

そして、校舎裏から先に進み音楽室を目指す



音楽室の窓の近くにやってきて辺りを確認する


確かにここなら人目につかなそうだ

その証拠に地面にはタバコの吸い殻が散乱していた

ここは中々良い隠れ場所かもしれないな


ひとまずここで待機だな

そして、完全に夜になって辺りは真っ暗になっていった

さて、現在の時刻は7時半

予定の8時まで後30分か


何して時間潰そうかな

今日はゲームとか持って来てないからなぁ

そんな事を考えているその時

ガサガサと誰かが歩いてくる音がした


俺は息を殺して闇に溶け込む


誰だ?ここは吹奏楽部の数人しか知らないはずなのに

暗くてよく見えないな


??「やっぱり来ていたか」

俺「その声は部長さんか」

部長「ああ、さぁ帰るぞ」

俺「断ったら?」

部長「生徒指導の岡崎にチクる。喫煙は停学何日になるんだろうな」

俺「俺じゃない!」

部長「誰が信じる?野蛮な山本」

俺「俺の事を信じてくれる人だって」

仁(うーん、喫煙は身体に悪いから止めたほうがいいよ?)

蓮(私があなたを信じる要素なんてあったかしら?)

俺「糞がっ!俺は孤独ボッチか……」

部長「それで、どうするんだ?停学か、帰宅か」

俺「分かった、帰ろう」

帰ればまた来れる


この日は部長に見つかり帰らざる負えなかった

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