1ー3 開かずの教室 調査編

俺と神崎さんは開かずの教室に付いて調べるために図書室へ来ている


俺「図書室に来るの久しぶりだなぁ」

蓮「私はよく来るわ」

俺「寝に?」

蓮「そう。ここ静かだからよく眠れるの」

俺「そっか」

よっし!神崎さんの新情報ゲット!

図書室をよく利用する!

心のノートにメモメモっと!


俺「そういえば、ここで何を調べるんだ?」

蓮「まずは聞き込みよ」

俺「図書委員?に」

蓮「はぁ……司書の人に聞くの。この学校で一番の古株らしいから」

俺「へぇ、知らなかった」

蓮「でしょうね……」


司書「おや、蓮ちゃんじゃないか。今日はどうしたんだい?」

蓮「おじさんに聞きたい事があって」

司書「なんだい?私の知ってることなら答えるよ」

蓮「実は……今開かずの教室について調べてるんです」

一瞬、司書のおじさんの表情が強張った?

司書「ん?知らないなぁ」

蓮「そう、ですか……」

司書「力になれなくて悪いね。それじゃ仕事があるから、またね」

司書のおじさんは奥の小部屋に入っていった

蓮「あてが外れたわ……おじさんなら何か知ってると思ったのに」

俺「そうか……」

蓮「今日のところはここまでにしましょ。続きはまた明日に」

俺「お、おう。そうだな」

俺たちは教室に戻ってカバンを取って帰宅する


蓮「また、明日」

俺「おう、また明日」


俺は司書のおじさんの反応が気になっていた

あの反応は……何か知ってる……そんな気がする




翌日、神崎 蓮は学校を休んだ

担任曰く体調不良のようだ


それからさらに3日の合計4日間、神崎さんは学校を休んだ


結局土日を挟んで一週間ぶりに神崎さんは登校した



俺「久しぶり」

蓮「眠いから後にして」

そのまま神崎さんは寝てしまった


なんか振り出しに戻った感が?


休み時間のたびに声をかけようと行くが、机に突っ伏して話しかけるなオーラを出してて声をかけづらい

どうしたんだろう?

休んでる間に何かあったのか?


そして放課後……

神崎さんは机に突っ伏して寝る……ことなく帰宅の準備をしていた


俺「神崎さん」

蓮「今日は凄く眠いの……」

俺「なら、明日!明日は?」

蓮「ごめんなさい……」

神崎さんは一言謝って帰っていった


一体全体なんだってんだよ!?

先週はあんなに……

まさか…呪い?そんな訳ないよな……でも……


よしっ!調べよう!

神崎さんが元気になる前に開かずの教室の謎を解き明かす!


そうと決まったらまずは……図書室だな

あの司書のおじさんを問い詰める




図書室に着いて司書のおじさんを探す

しかし、おじさんは見当たらない


司書の仕事用の部屋にもいない……?

何処にいるんだ?

図書委員の人に聞いてみるか

俺「あの」

委員「はい?貸出ですか?」

俺「いえ、司書のおじさん探してるんですけど」

委員「あれ?そういえば今日は見てないですね……何か用が?」

俺「聞きたい事があったんですけど……いや、また来ます」

委員「はい。わかりました」


司書のおじさんがいないならここにいても仕方ないな

よし、次は……現場かな


俺は旧校舎三階に向かう


そしてやはりと言うべきか……

旧校舎二階でまたクズ先輩に遭遇した


クズ「やあ、一人でどうしたんだい?あの可愛い子はどうしたの?」

俺「はぁ……」

クズ先輩を無視して三階に上がる


そこには先客が一人いた

そう、司書のおじさんだ


俺「こんな所で何してるんですか?」

司書「君は……」

俺「神崎さんのクラスメイトの山本です。先週図書室でお会いしました」

司書「はて、そうだったか……?それで山本くん?こんな所で何してるんだい?この階には部室は無いはずだけど」

俺「それはこっちのセリフですよ。先週神崎さんから開かずの教室に付いて聞かれた時知らないって言ってましたよね?なのになんでここに?」

司書「ふむ、そうか!ここが開かずの教室なんだね!」

俺「下手な演技は止めてくださいよ。あの時一瞬顔が強張ったの見てましたから。何かしら知ってるのは分かってるんです」

司書「そうか……感の良い生徒は嫌いだよ。子供らしく無邪気でいてもらいたいものだ」

司書のおじさんはスッと瞳を細め鋭い眼光を放つ


俺「それで?あなたは何を知ってるんですか?」

司書「それは言えないなぁ。知りたければ自分で調べることだ」

司書のおじさんはそれだけ言うと俺とすれ違って去っていく


俺「くそっ……ビビったぁ……」

なんだよ!あの眼力!マジでこえーよ!

何者なんだよ!?


俺「はぁぁぁぁーーーーーー……」



クズ「やっ!」

俺「うおっ!?」

音もなく背後に近寄りクズ先輩が脅かしてきた!

心臓に悪いっ!!

クズ「ねぇねぇ?どったの?なんか怖ーい顔してたよ?」

俺「背後から俺の顔見えるわけないでしょーが」

クズ「でも強張った雰囲気出してたよ?」

俺「それは……」

クズ「さっき降りてったおじさんに関係あるの?」

俺「あの人は図書室の司書で、多分…いや確実に開かずの教室について何か知ってる」

クズ「ふーん?で、何か聞き出せたの?」

俺「いや、何も」

クズ「ふーん」

俺「で?クズ先輩は何しに来たんですか?」

クズ「開かずの教室について耳寄りな情報を手に入れたから教えてあげようと思ってね!」

俺「ほんとですか?」

クズ「マジマジ!」

俺「教えてください」

クズ「いいよー。でも、ここじゃなんだから部室においでよ」

俺「え……わかりました」

クズ「よっし!いざ我らが漫研の部室へ!」

クズ先輩と漫研の部室に行く


クズ「とーちゃーく!」

俺「それで?情報は?」

クズ「まあまあそんな焦んないで」

俺「早く教えてください」

クズ「しょーがないなぁ。まずはコレを見てみ」

一冊の古い冊子を渡される

『オカ研誌文化祭増刊号 学校の七不思議編』

これは……昔のオカ研(オカルト研究会)が発行した冊子か?

表紙をめくると目次があった

その一つに開かずの準備室とあった

顔を上げてクズ先輩を見る

クズ「ふっふっふ!この部室は元はオカ研使ってたんだよ。それでこんな冊子が出てきたってわけ!」

ドヤ顔で説明するクズ先輩……ウザい


冊子に視線を戻す

該当ページを開く

「この学校に伝わる七不思議の内、一番古く一番恐れられているもの。それが開かずの準備室である!

一番長く語り継がれつつも改変の痕跡が全く無い、この怪談は生徒のみならず教員も知っているこの学校内で一番有名なものだ」


読み進めて行き分かったのは……

・開かずの教室は昔開かずの準備室と呼ばれていた事

・一人の女生徒がその部屋の窓から飛び降り自殺した事

・自殺した原因は不明で、ドアが開かないのは彼女の怨念のせいだという事

・今から50年以上前の出来事だという事


冊子を閉じて目を瞑る

整理しよう

開かずの教室は昔、女生徒が飛び降り自殺をした場所で、それが50年以上前の出来事で、司書のおじさんが何か知っている……

司書のおじさんって何歳くらいなんだ?

見た目は60歳から70歳くらいだけど…もしかして当時の事を知ってる年齢なんじゃ?


それなら開かずの教室について知ってるのも説明がつく

神崎さんも司書のおじさんは古株だって言ってたしな


俺「これは、神崎さんとも共有したいな」

クズ「その冊子持ってっていいよ。必要でしょ?」

俺「良いのか?」

クズ「どうせゴミになるだけだからね」

俺「じゃあコレ貰っていくよ。ありがとう」


大きな手がかりを手に入れた

明日、神崎さんともう一度開かずの教室を調べてみよう


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