1ー1 開かずの教室の不思議

結果的に俺は有力情報を手に入れた!


休み時間の度に廊下をフラフラと歩き周り七不思議や怪談の噂を探す

探す探す探す探す探す探す探す探す探す


くそっ!全然噂がない!

仕方なく仁に七不思議について何か知らないか聞いてみた

仁「七不思議?そうだな、開かずの教室ってのは聞いた事あるな」

知ってるのかよっ!!

俺「ソレどこだ?」

仁「旧校舎の3階の一番奥の教室、だって話しだな」

俺「旧校舎?」

仁「ああ、旧校舎。通称は部活棟」

俺「部活棟って旧校舎なのか?」

仁「おう」

俺「3階の一番奥の教室って使われてないのか」

仁「基本的に2階までしか使われてないな」

俺「そうだったのか」

仁「満足か?」

俺「ああ、情報感謝する」


よし、神崎さんにこの情報をチラつかせてみるか


昼休みになった


もちろんボッチで飯を食ってササッと片付ける

神崎さんはっと……いない!?

いつの間に教室から出ていった!?

おかしい!いつもなら飯食ってそのまま教室で寝てるのに……!

こんな時は仁に……

仁もいない……だとぉっ!?そうだ!仁は学食組だった!

くそっ!頼れるやつがいないじゃあないかっ!!


仕方ない、ひとまず一人で部活棟に行ってみるか




部活棟、か

あの時以来だな……


今は部活に所属していないが、一年の頃はとある同好会に入っていた

世にいう漫研だ

ヲタトークができると思って入ったのに……なのに……

漫研のやつら、アニメもラノベの興味無いだなんて……

俺は漫画家志望のガチ勢と仲良くできなかった……

俺は逃げ出したのだ

アニメやラノベの素晴らしさを布教できず……


思い出したら悲しくなってきた……


まぁ、今回行くのは3階だし

漫研の部室は2階だから大丈夫大丈夫!


さぁ!いざ部活棟へ!

1階の渡り廊下から部活棟へ入って階段を登る

1階から2階へ上がる、そしてそのまま3階へ行こうとした時声をかけられた

?「あれ?えっと山本くん?」

俺「はい?」

誰だ!俺の邪魔をするのは!

?「私だよ?覚えてない?」

俺「…………?」

誰だ?いや本当に誰?マジで分からないんだけど

?「覚えてない?ほんとに?酷いなぁ」

俺「……?」

?「じゃあ改めて名乗りましょう!私は」

あ、思い出した

俺「九頭クズ!……先輩」

九頭「なんで、先輩まで間があったのかな?」

俺「いやぁ、特に意味はありませんよ?」

九頭「それと!名字で呼ばないでほしいな!」

この人はクズ……先輩

下の名前は忘れた

後輩ひとを道具としか見ていないクズである

クズ「どうしたの?もしかして漫研に戻る気になった?」

俺「違いますよ。じゃ急ぐので」

振り返り階段を登る

俺「ぐえっ!」

クズ「ちょっと待った!」

俺「いきなり何するんですか!苦しいじゃないですか!」

クズ「首根っこ掴んだんだよ?三階には何もないのに何しにいくの?」

ワクワクした目で聞いてくるクズ…先輩

俺「何でもいいじゃないですか……」

クズ「なんか面白そうだからついていくね」

俺「だが断る!」

クズ「君に拒否権は無い!さぁ!行くよ!」

俺「……」

クズ先輩に同行され三階へ上がる


三階は殺風景だった

どの教室も使われていないからポスターなんかも何も無い

クズ「それで?何で開かずの教室調べてるの?」

俺「……なんで、それを?」

俺は開かずの教室を調べに来たなんて言ってない!

なぜ、知っている?

クズ「くっくっく。その表情いいね!最高ww」

俺「はぁ…なんで俺が開かずの教室調べてると」

クズ「まず、三階に人の気配がない事!この事から人気の無い所での密会ではない事が分かる。それ以外に一人でここに来る人は大体があの教室を見に行く!」

俺「じゃあ何で付いて来たんですか?」

クズ「もしかしたら、君の告白現場を見れるかなって」

俺「勘弁してくださいよ、もう」

この人マジでメンドクセー

クズ「アテが外れたかぁ」

俺「ならさっさと部室に帰ってくださいよ」

クズ「だが断るww」

う、うぜーーーー!!!

俺「たしか、一番奥の教室だって」

クズ「それはどうかな……」

もう無視しよう。これ以上関わるのは時間の無駄だ

俺は目的の教室へ向かう

空き教室と聞いていたが、プレートには『準備室』と書かれていた

俺「ここか」

ドアに手をかけるが

ガタッと鍵がかかっていて開かない

まぁ、そうだよな

使っていない教室の鍵は普通閉まってるよな

俺「さて、どうするか」

1、職員室で鍵を借りてくる

なんて言えば借りられるだろうか……

2、ピッキングで開ける

かなり古いタイプ鍵だから針金でいじれば開けられる可能性はあるか?

3、ドア以外から入る

窓から入るくらいしかないな……俺には無理だ


とりあえず職員室で鍵借りれるか聞いてみるか

俺は職員室に行くために振り返る

俺「……………………………なにしてるんですか?」

クズ先輩がスマホをこちらに向けていた

クズ「気にしないで!資料用の撮影だから!」

俺「動画撮ってますよね、それ」

クズ「うん?」

俺「何言ってるかわかんないって顔しても駄目ですよ」

クズ「………だめ?」

俺「止めてください」

クズ「わかった……」

ふぅ……目を離した隙きに何て事してんだよこの人は

パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ

俺「…………いい加減キレていいかな、これ」

クズ「どうだ!秘技16連写!」

秘技でもなんでも無い!ただのスマホの機能だろうが!!

やはり無視するしかないか

俺は職員室へ向かう


なぜかクズ先輩も付いて来ている

クズ「あ、そうだ」

俺「無視だ無視」


職員室ってなんか緊張すんだよなぁ

俺「失礼しまーす」

近場にいた先生に旧校舎の鍵が借りられないか聞いてみる

先生「え?なんで?」

やはり、聞かれるよな

俺「ちょっと調べたい事があって…三階の準備室の鍵借りられないかなって」

先生「旧校舎の鍵ならそこの九頭さんが持ってるけど……?」

俺「はい?」

先生「ねぇ、九頭さん?あなたが管理してるんでしょ?」

クズ「はい!」

俺「……そうですか」

俺とクズ先輩は職員室を出る





糞がぁっ!!





俺「クズ先輩?」

クズ「ハハハハハハハ!!!ちょーうけるーww」

俺「…………………鍵持ってるならなんで最初から言ってくれないんですか!?」

クズ「聞かれなかったからね!」

こ・の・ひ・と・はぁーーーー!!!

俺「鍵」

クズ「はい、どーぞ」

ポケットから出した古い鍵を一つ渡される


さて、旧校舎に戻るか

キーンコーンカーンコーン

あ、昼休みが終わる……くそっ!結局全然調べられなかった!!

俺「クズ先輩、この鍵なんですけど」

クズ「ああ、持ってていいよ。それスペアだから。使い終わったら返しに来てねー」

そう言って去っていくクズ……先輩


俺「俺も戻るか」


2−Aの教室に早足で戻ると神神崎さんは何時も通り机で寝ていた


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