超惰眠系ヒロインを攻略したい

もえすとろ

序章のような何か 奇跡的出会い(笑)

俺の名前は、山本やまもと 大地だいち

角国カクコク学園に通う高校2年生だ

最近ハマっているのは異世界モノのラノベで、それ以外だとギャルゲを少々嗜んでいるオタクだ

はっきり言って三次元女にはなんの魅力も感じていなかった……そうあの時までは


その日、掃除当番で同じ班の全員が俺に掃除を任せてきた

「ごっめーん!この後予定があってー、君しか頼れる人いないんだ!だから掃除お願いね!」

なんてお願いされて断れるわけないだろ?

明らかに遊びに行くのが分かってても知らないふりをして

「ああ、任せてくれ」

そう言って引き受けるしかないクラス内序列最下層の俺!

そう、俺は単純に優しいのだもん!別に辛くも悲しくもないもん!

|||orz

俺って超頼られてるぅ!!超っ有っ能っ!

ハッハッハーーー!


そんな訳で掃除を終えて一人教室にカバンを取りに戻る

そこで俺は見てしまった

まるでゲームの一場面のような光景を

そうギャルゲで例えるならば真ヒロインの登場シーン!

プレイヤーに与える第一印象を最優先に描かれたような一枚絵!


窓辺で夕日に照らされた美少女の姿

表情は物憂げで黄昏れるような寂しさを感じる

パッケージの表面ではなく、裏面に並ぶ小さな画像の中の一枚

又は攻略後の隠しルートでしか見れないだろう、そんな場面


彼女は俺に気付くと無表情になった

そして俺は気がついた…今の一瞬見惚れていて呼吸を止めていた事を

二次元こそ至上と今まで思っていた俺はその事実に驚愕する

この俺が三次元の女なんかに本気で見惚れていた、だと……!?

信じがたい事だが

俺は彼女…クラスメイトの神崎かんざき れんに一目惚れした


俺「好きだっ!付き合ってくれ!」

蓮「……うわっ、キモっ」


…………え?肝?


俺「今、なんと?」

蓮「聞こえなかった?キモいって言ったの」

俺「キモい?」

蓮「自覚無いの?終わってる……」

え?

なんで?なんでぇーーーー!?

今、俺の発言にキモい所あった?ねぇ?

もしかして顔?顔がキモかった?それはしょうがないじゃん!?

てか流石に顔がキモいからって面と向かって言う?酷くない?

ぶっちゃけ俺は顔はブサイクでは無いと思うんだ!

顔はまぁ良いけど……中身がね……って言われるくらいには顔の造形は悪くないと評判なんだけど!?

俺「えっと、ごめん」

蓮「じゃ、バイバイ」

俺「あ、ああ」


神崎蓮は帰宅し、俺は瑠璃色に変わりゆく空と同じように暗い気分になった


しばらくして放心状態かた脱して俺も帰宅する

帰ったら前に録画した深夜アニメでも見て癒やされよう……

確かHDDに心がぴょんぴょんするアニメがあったはず……


この心の痛みは……

鬱系のギャルゲをそうとは知らずにプレイした時と同じような……?

あのシナリオは辛かったなぁ

どんなに最良と思われる選択肢を選んでもバッドエンドにしかいかなくて……

調べてみたらハッピーエンドがほぼ存在しないモノだったんだっけか

ジャケ買いは危険って、あの時ほど思ったことはない……


はぁ……明日登校するの憂鬱だな


〜帰宅後〜

あぁぁ〜こころが〜ぴょんぴょんするんじゃ〜






翌日、俺は気合で登校する


イヤホンでお気に入りの電波ソングを聞きながらのドーピング登校だ

学校に着いて教室に行く(因みにA組)

もし告白したのが言いふらされていた場合、俺は笑われるだろう……

できるだけ心の準備をしてから


…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………よしっ!


ドアを開けて教室に入る

……良かった!笑われてない!

どうやら神崎さんは言いふらしたりしない人のようだ。口は悪いけど……


神崎さんは机に突っ伏して寝ていた

俺が教室に入っても気づいていないようだから熟睡してるようだ


そういえば、神崎さんっていっつも寝てるな

授業中も寝てる事が多いし、休み時間はずっと寝てるし

でもテストの成績は悪くないんだよなぁ……クラス内では中の上から上の下あたりに毎回名前があるし

因みに俺の成績は中の中から中の下あたり

赤点回避はできるが特別成績が良い訳でもない


それはそうと!

昨日俺はソッコウでフラレたんだが、何故か神崎さんへの想いは消えなかった

俺の心はまだ諦めていない(キリッ

そう、俺は面と向かってキモいと言われたがまだ神崎蓮に好意を抱いている!!


俺は……神崎蓮を攻略おとしたい

数々のギャルゲで培った経験で俺は神崎蓮と恋人になってみせる!!

それにはまず……なんとかして彼女の興味のある事を知らなければならない!

リサーチ開始だ!


クラス内で唯一会話のできる友人の田所たどころ じんに聞いてみる

俺「なぁ仁」

仁「なんだ?」

俺「神崎さんについて何かしらないか?」

仁「神崎さん?そうだな……二年A組、出席番号じゅう…」

俺「いや、それは知ってる」

仁「……たしか部活は入ってない。体育は見学が多いらしい」

俺「体が弱いのか?」

仁「何か病気なのかもな」

俺「他には?」

仁「好きなことは」

俺「好きなことは……?」

仁「睡眠、だな」

俺「だろうな」

仁「俺が知ってるのはそのあたりだな」

俺「そうか……」

チッ、大した情報はなかったな

仁「あ、あとは確定情報じゃないが……」







最後にとんでもない有用な情報をくれたな仁のやつ

持つべきものは情報に詳しい友人だよな


確定情報じゃないなら確かめればいい!

どうやって?もちろん、直接聞く!


俺は神崎さんの席の近くに行って独り言のようにつぶやく

俺「そういえば、この学校にも七不思議ってあるのかな?」

チラ……

神崎さんがピクリと反応する

もしかして起きたのか?

俺「気になるなぁ、七不思議」

チラチラ……

ムクりと体を起こす

蓮「ふわぁーーー……」


何故か神崎さんにギリッと睨まれた

え?なんで睨むのさ!

そして、再び神崎さんは机に突っ伏して眠ってしまった


コレはもしかしたら、もしかするかもな




俺は七不思議の調査を開始する事にした

まずどんな七不思議があるか、だな

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