交錯

ボクは目が覚めたときのこと、桃太郎だったときの記憶、鬼を退治した話、大好きなじじ、ばばの話など記憶が空になるくらいしゃべり尽くした。


それを桃太郎は黙ってボクを見つめながら聞いていた。それから違和感も話した。洞窟の様子、鬼の数、種類など前の記憶と現在の状況の違いを細かく説明した。そして最後にボクは言った。


「ボクは君だった、いや、桃太郎だったんだ」

しばらく沈黙がおとずれた、一緒にいた犬、サル、キジも桃太郎の近くで黙って聞いていた。


桃太郎は突然立ち、ボクにこう言った。


「鬼よ!ボクと一緒に村へ来い!身はフードで隠してやる。本当にお前が桃太郎だったならジジ、ババをその目で見てみろっ!」

そしてボクは洞窟に溜まっていた宝とともに桃太郎たちと村へ向かった。

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