第22話 乱鬼(ランキ)
「デカンの俺達が全員、日本を離れるなんて過去に無かったな」
「そうじゃな…誰かしらは日本に残るのが通例じゃが…今回は、ソレだけ異例だということじゃろうな」
「ソレだけか?」
「どういうことじゃ」
「日本は妖魔発生率の8割を占める国だ…オカシイと思わないか?」
「ん…デカンがというかNOAが日本を手薄にしたということがか?」
「あぁ…アグスチーノに繋いでくれ」
『
生物と掛け合わされたデカンの中で唯一無機物と融合した特殊なデカンである。
主な役割は『
『
そのため、
基本的には『
ただし、アグスチーノが『
「
『現在、メキシコへ移動中です、目的は開示できません』
ガタッと椅子を鳴らして
(猪突猛進…
エレベーターの前では、一足早く退室した
「やはり来たわね…
「そこをどけ
「短気ね…タウラス、気質は関係ないと思ってたけど、案外、影響を受けるのかしら?興味深いわ」
「化学班として興味か…後にしてくれ…今は、大人しく通してくれないか」
少し穏やかな口調になったが、その表情は怒りに満ちている。
「止める気はないわ、その気なら、こんなモノ持ってこないわ」
「なんだ?」
「
「ムッ…」
「サジタリウスは完全な戦闘タイプとして調整されたデカンなのだからね」
「俺とは違うと?」
「知ってるわよね、射手座・獅子座は戦闘タイプ、山羊座・双子座・
「単体の戦闘力は射手座に劣ると…」
「そういうこと…そこで、これが必要なのよ」
「リスクは?」
「人型には戻れない…と思うわ」
「フッ…俺の足も牛になるのか?」
「さあね…まぁ覚悟はしておいて頂戴…」
「あぁ…礼はいらないよな」
「もちろん、人体実験に協力してもらうんだから、言いたいくらいよ」
「そうか・・・じゃあな、どいてくれ」
扉が閉まる直前…
「ありがとな…」
扉が閉まり、階下へ降りるエレベーターを眺めていた
「バカ…でも死に際くらいは…自分で選びたいわよね…お互いに」
表向きはすでに観光地化され、『エスカスティージョ』は今さらNOAの興味を惹く物などありはしない。
表向きは…
メキシコの遺跡は何処も不思議な感覚を呼び起こさせる。
しばらくは一般人として遺跡を巡るつもりでいた。
4時間遅れでメキシコへ着いた
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