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空には満天の星、地上には無数の篝火。絶望の果てに男泣きする項羽。そしてその横に立つ虞姫には、なんと、四面楚歌が聞こえない…。
項羽の絶望が増幅されました。この場面を書くために、虞姫を喋れない少女に設定したのかと思ってしまいました。
粗野で剛毅で単純と言われている項羽の<四面楚歌>の場面を時々想像するのですが、杉浦さんが書いた<四面楚歌の静寂>、鳥肌が立ちました。
作者からの返信
そうなんですっ! といきなり声を大にして言ってしまいます。
普段は行き当たりばったり、無計画に書き進めているんですが、この物語だけは、最初にこのシーンがありました。
空には冷たく光る星、そして大地を埋め尽くすほどの篝火。
周囲から聞こえていた歌が、ふっと消えたその瞬間を文字にしたかったんです。
気に入っていただけて、本当に嬉しいです。
項羽と虞姫の切なさが伝わります。覇王の項羽の根強い人気は、覇王たるがゆえの強さもありますが、虞姫の存在とその人間臭い感情の豊かさもありますね。
作者からの返信
圧倒的な強さと、意外な弱さを併せ持っているところが項羽の魅力なんでしょうかね。
残酷なところもありますが、劉邦の陰湿な感じの非道さと比較すると、爽やかと言っていいかもしれません。