第3話 浜辺

遠目にやつらの艦隊が見えてきた。

なんだあの数は、一体何隻いるんだ?たかだかこんな小さな島だぞ!

正気の沙汰じゃない!


「水上!なにをしている!はやく防空壕に入れ!」


あぁ了解だよ!


その後、奴らの砲撃は丸1日続いた。

これじゃあ飛行場なんか使い物にならないだろう。

こんな爆音をずっと聞いていたら頭がおかしくなりそうだ。


何時間が経ったのだろう。気づけばあたりは静かになっていた。


「水上!お前もじぶんの銃を持ってはやく持ち場につけ!」


今いきますよ!


俺の銃は三八式だ。

身長の割にはでかい。だが美しい形をしているもんだ。

だがこいつは鎖閂式だ。あいつらの火力には遠く及ばない。

しかも弾だってまともにもらえてねえんだ。

こんなんでどうしろってんだ。


アメ公の船が見えた。

すごい数だ。今からあれを相手にするのか...。

気が遠くなりそうだ。


「いいか、よく引き付けてから撃つんだぞ。慎重に、確実に殺せ。」


だいぶ近づいてきたぞ、まだ撃たないのか...?

いい加減撃たないと浜辺を制圧されるぞ!

最初の船が上陸しちまうぞ!


「まだだぞ、引き付けるんだ。」


正気か!?早く撃たないと...


「今だ!攻撃開始!」


その瞬間、目の前が真っ白に染まった。

気づくと目の前まで迫っていた舟艇から火が上がっていた。


「なにをしている、撃て、撃て!」


俺は持ってる弾をとにかく撃ち込んだ。

一体何人の敵が倒れたかわからない。

ただ、撃ち続けた。


「突撃だ!!」


「天皇陛下万歳!!」


そんな声が聞こえてきた。

そっちを見ると、となりを防衛していた中隊が不利と悟ったらしい。

突撃を仕掛けやがった。


「何をしている!?我々の任務は前線の防衛だぞ!」


そんな声も届かず、あいつらは突っ込んでいった。

米兵どももまさか突っ込んでくるとは思わなかったらしい。

完全に対応が遅れた。

何人かを切り伏せたが、次の瞬間、奴らの激しい銃撃にあって全滅した。



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