第24話 ここは何処? 私は誰? (13)

 まあ、儂がそんな事を思案をしていると。


 紅の髪色した美しい容姿のお姉様も、儂の言葉に段々とムキになってきたのか?


 それこそ? 売り言葉に買い言葉ではないが。


「いいや、いるよ、兄さん神は……。でないと私が先程述べたと思うが? 兄さんと私はこの黄泉の世界では自由に歩く事すらできない……。それに本来は、周りを歩く亡者達を見ての通りで、話しをする事も不可能だからね……」


 とにかくお姉様は儂にムキになり、こんな感じの言葉を述べてきた。


 でッ、お姉様の口が閉じると儂は、辺りを見渡しながら。


「うぅ~ん、確かに、お姉様の言う通りじゃの……。儂ら二人の会話に耳を傾けている者や、聞く耳を立てている者などおらんのぅ~、皆無表情で歩いているだけだのぅ……」


 と、言葉を述べたよ。


 するとお姉様は、『ふふ~ん♪ どうだい? 兄さん、恐れいったかい?』と、でも言いたい素振りでさ、自身の両手を腰に当て──。


 見下ろすように儂を凝視しながら、「でしょ? 兄さん?」と、言葉を述べてきたよ。


 だから儂はお姉様に対して、何も言い返す言葉もないから、「うん、そうじゃの」と、だけ言葉を返した。


 う~ん、でも、未だ納得出来ないと言うか?


 まあ、お姉様が、神様の件で何でここまでムキになるのかも、儂自身は大体分かってきたけれど。


 おじさんは若い者を揶揄うのが楽しい……。


 それに歳を取れば取るほど、子供返りをすると言うか?


 構ってちゃんになるかのぅ……。


 それに儂の目の前にいる紅の髪色したお姉様は、この世の者ではないほどの女神のような美しい女性じゃから。


 儂は先程も述べたが、一目惚れをしたお姉様を自分があの世で幸せに暮らす為の伴侶にしたい気持ちがある。


 だからお姉様に。


「じゃ、お姉様? 仮に神様が居るとしよう?」


 最初はこんな感じで言葉をかけた。


「うん、それで、どうしたの? 兄さん?」


 すると直ぐにお姉様は、儂に少し悩んだ顔をしながら訊ねてきたから。


「儂が神様が何処にいるか当てたら、お姉様は儂とお付き合いをしてくれるかの?」


 まあ、こんな感じで、昭和の時代の男らしくお姉様に、あっさりと交際を申し込んだのだよ。


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