第23話 ここは何処? 私は誰? (12)
「そ、そうかな?」
「そうだよ! 兄さん頭弱いぃいいいっ! マジで受けるぅうううっ!」
まあ、こんな感じだよ、お姉様は……。
思いっきり、自身の口を大きく開けて笑いながら、『受けるぅうううっ!』とか、おじさんの儂を馬鹿にした物言いで述べてくるのだよ。
だから儂も憤怒して『わりゃ~、儂を馬鹿にしちょんかぁ~』と、怒号を放ってやろうかと思ったが、お姉様は綺麗だし……。お姉様の喉チン子が見えそうなぐらいの大口で笑っていらっしゃるお姿も、儂敵には大変に良いので……。
「エヘッ! そうですね」と、儂自身も頭をかきながら笑って誤魔化しながら我慢をしたよ。
お姉様に嫌われたくないからね。
う~ん、でものぅ? いきなり神の祝福の加護と、お姉様が儂に述べてきても全然意味が解らないよね?
普通は?
だって神の祝福の加護……ッて、お姉様が言っているけれど、神様って本当にいるのかな?
儂はそちらの方が気になるよ?
だからお姉様に訊ねてみることにする。
「あのさぁ~お姉様~? 神の祝福の加護と言われても、儂はね、神様なんていないと思っているから、加護など信用できないよ……」
まあ、取り敢えずお姉様にこんな感じで訊ねてみたよ。
「そうか! そうか! そうか! 兄さんは神など信用できないか? ワッ、ハッハッハッ……」
「あっ? うん、そうだね……。儂は神様などこの世にいないと思うとるから? 先程儂が述べた通りで、神の祝福の加護など信用はできんよ」
とにかく儂の目の前のお姉様が何と言おうと。儂は神様が居るなど信用出来んと思ったよ。
と、述べ終えた時に、ふと、思ったのだよ?
何で他界している筈の儂が、こんなにも自由に動けるのだろうか?
普通は、儂やお姉様を最小限に回避しながら、何処に向かうのか解らない亡者の人達みたいに、
儂やお姉様も、この緩やかな坂を上り歩かないといけない筈なのにね。
この場で立ち止まり会話ができる事自体……。
神様が俺達二人神の祝福の加護の能力だとすれば、神様はいる事になるよね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます