第22話 ここは何処? 私は誰? (11)

「そうか! そうか! ワッ、ハッハッハッ……。 うちとお兄さんだけが、話しが出来るから。お兄さんは不思議でならないのか? 」


 まあ、相変わらず、何とも豪快!


 両手を腰に当てて、男性の用に大口を開けて、また大きく笑い始めたよ。


 それも、お姉様のお口の奥の喉仏が、見えそうなくらい大口を開けているのだ。


 そんなお姉様の様子を儂は凝視しながら


「あああ、不思議でならないよ? 何で儂とお姉様だけが、普通に会話が出来てしまうんじゃろうか? だって儂は先程周りにいた人達に話しかけても全く反応がなかった……。なのに? お姉様だけとは話しが出来るって、これって不思議と誰だって思うじゃないか? 何か可笑しい事を儂は言ちょるかの?」


 まあ、とにかく豪快に笑うお姉様に、儂は述べたよ。


 う~ん、それと? あれだよ?


 もう少し、お口を閉めて──。


『ホッホッホッ……』と、お口に手を当てながら淑やかに笑う方が、儂的にはお姉様はお似合いだと思うし? 花マルだとも思うのだが?


 儂の目の前いるお姉様は、そうはいかないみたいだね?


 まあ、とにかく儂自身が、こんな感じで愚痴を漏らしたくなるぐらいお姉様は、容姿の整った、美術館の展示物の肖像画のモデルにでもなりそうなぐらいの淑女なのだよ。


 まあ、とにかく、儂が目の前のお姉様の事を『ふぅ……』と、溜息を漏らしながら、残念な女性おひとだと思いながら見ていると。


「う~ん、それはね。お兄さんにはがあるからに決まっているじゃないか!」


 お姉様は、今度はこんなファンタジーじみた事をおじさんの儂に述べてきた。


 でも、年寄りの儂にこんな言葉を述べられても、全く理解できないから。


って……お姉様なぁ~に?」


 儂はこんな感じで訊ねたよ。幼い子のように甘え声を漏らしながら……。


 後々考えると? 良くこんな赤ちゃん言葉を漏らす事が出来たなと、思い……。恥ずかしくなった気がする?


 まあ、先程から何とか儂は、目の前のお姉様の気を引こうとしている。


 だから赤ちゃん言葉を吐いて甘えても見たよ。


 とにかく、目の前のお姉様にアピール続け、愛想笑いをしている儂に、。


「……ん? とは、名前の通り神様の加護だよ。お兄さんそれぐらいの事も解らないの? まあ、人としてはそこそこ歳を取っているから。もう少し理解力があるとは思ったけれど? 案外歳のわりにはお兄さん、頭が弱いんだね? 」

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