第19話 ここは何処? 私は誰? (8)
まあ、こんな感じで、声を漏らしながら。
「うぅ~ん、何処かな? 何処かな? お姉さんの甘~い声~? 多分俺を呼ぶ声だと思うのだが? う~ん、何処だろう? 何処だろう?」
とにかく独り言を漏らしながら辺りを見渡したよ。
できるだけ? 傍から見て──挙動不審な人物だと思われないようにね?
でないと? あの世の警察の人達がきたら不味いから……。
と、儂がね、そんな事を想い立ち止まり、辺りをキョロキョロと見渡していると──。
「お兄ぃ~さん! お兄ぃ~さん! こっち──! こっちだよぉ、おおおおおおっ! おぉ~い? おぉ~い? 私が見えないのかい──? 兄さんぃ~さん?」
またお姉さんの儂を呼ぶ声……って、ほぼ儂で間違えないみたいだよ。
お姉に呼ばれている人物は……。
う~ん、どうやら儂の知り合いなのかな?
でもさ、儂は天国? 地獄?
どちらなのか解らない世界だけれど?
こんな謎の多い世界に知り合いはいないのだが?
と、思いながら、腕を組み思案をするとね。
「お兄さん──! そんな所で腕を組み考えなくていいから、此方に早くおいでぇえええええええええっ!」
まあ、相変わらず、何処にいるか解らないお姉様に儂は、再度早く自分の所にくるようにと催促を受けた。
う~ん、でも? 儂は、お姉さんが何処にいるのか解らないのだよ?
だって儂の周りは死んだ人達の歩く行列で一杯だから遠くが見通せないのだ!
だから先程から儂は大変に困り果てている訳なのだよ。
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