第18話 ここは何処? 私は誰? (7)

 ……ん? あっ!


 あれ……。あれあれ?


 儂は再度、辺りを見渡してみたよ──。


 やっぱり若い女性の声が気になるから?


 だって、良く辺りを見ながら儂は腕を組み思案をしてみると。


 どうやら、若い女性の声に反応しているのは儂だけみたいなのだよ。


 う~ん、だって?


 儂の回りを歩いている亡者先輩達はね。あれだけ大きな声で呼び叫ぶ──。


 女性の声に全く反応せずに、只ひたすら、何処に向かっているのかわからない緩やかな坂道を無言、無表情で歩いているだけなのだよ。


 この先に一体何があるのかわからないのに……。


 う~ん、多分、あくまでも儂の感ではあるが?


 この緩やかな坂道を上がりきれば、皆が笑顔になれるような極楽浄土若しくは?


 若いお姉ちゃん達が多々居て……。


『うぅ~ん、うぅ~ん、うふふふ……。あん、あん、あっはぁ~ん……。おいで! おいで!』


 と、亡者の儂らに囁いてくれるような桃源郷などがあるとは思うのだが?


 まあ、それも儂自身の勝手な妄想だから、多分だけ言っておくよ。


 う~ん、儂自身の妄想の為に、話しが少しずれたけれど。とにかくに女性の声に反応をしているのは、どうやら儂だけのようだから。


 儂は再度、辺りをキョロキョロと見渡し、確認をした。


 それも、何度も……。


 とにかく儂は、声の主を探す事に懸命のなったのだよ。


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