第12話 ここは何処? 私は誰? (2)

 だがの、儂もガキ相手に負ける訳にはいかん!


 元々ガキの頃からチビの癖に、生意気な態度でいた儂じゃ、昔の杵柄ではないが!


 いくら複数いようが、相手はガキじゃガキ!


 大体こいつが頭かの?


 と、思う奴を一発、鼻か口当たりに──儂の稲妻鉄拳パンチを食らわせれば、大体イモを引く筈じゃ!


 だから儂もいつまでも転がったままで、ガードばかりせずに慌てて立ち上がった──。


 そして、自身の拳を力強く握り締めて──。


 そのまま、こいつがこの中で一番強い奴か!?


 と、思われるガキの顔面──。


 鼻、口ではなく、わざと面玉を狙った──。


 これが奴の目に当たれば、視界を遮る事が可能だから、時間稼ぎが出来る……。


〈ガァアアアアアアン!〉


 おっ? 刹那……。


 儂の利き腕の握り拳に、グゥと、強く、重たい感触が伝わってきた。


 う~ん、どうやら?


 クリーンヒットのようじゃ!


「うわぁああああああっ! 痛ぇええええええっ! 健二のやつ儂の目を狙いやがったぁああああああっ!」


 ハッ、ハハハ……。どうじゃ、悪ガキども!


 儂を高齢者じゃと思って舐めてくるからこんな目に遭うんじゃ、思いしったか!


 儂は心の中で高笑いをしてやった。


 おじさんを舐めるとこう言う事になるんじゃ……。


 まあ、これを機会に更生をして、オヤジ狩りなどをするのをやめるんじゃぞと、高笑いしながら内心思ったよ。


 う~ん、それにしても?


 少しばかり儂も気になる事がある。


 何でこのクソガキ共は儂の名前、『健二』と、言う名なのだと知っているのだ?





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