第163話 宴の終わり!
アルとネロの家を建てる承諾を得る為に、村長の所へ行く。
「ネロ、さっきのでどれ位の力を出していた?」
「ん~、半分の半分の半分くらいなの~!」
八分の一ってことだから、一〇パーセントちょっとか。
俺は、三〇パーセント位だったから、まだまだだな。
さっきもレベル上がったし、久しぶりにステータス見てみるか。
レベル七一になっている。
この間まで、レベル四八だったと思っていたが……
魔王と戦うだけで、飛躍的にレベルが上がるのか?
これは、良い事を知ったぞ!
いや、前回のスキルの件もあるし……
【全知全能】に確認する。
自分よりレベルの高い相手との戦闘の場合、戦闘終了時に勝敗に関わらず、経験値取得する事が出来る為、今回の様な事例が発生する。
デメリットは特に無いらしい。
そうであれば、アルやネロと遊んでいれば、必然的にレベルアップするという事になる。
俺の戦闘スタイルは、『武闘家』に似ているが、アルやネロの様に力で押し切り、魔法を絡める感じだ。
レベル云々の前に、手合わせはして貰いたいと前々から思っていた。
「アルにネロ、遊びじゃなくて俺と時々、手合わせしてもらってもいいか?」
「あぁ、構わんぞ! それも弟子の務めじゃ!」
「そうなの~! もっとやるの~!」
「それは、助かる。 ただし、人里離れた場所がいいな」
「あぁ、それならいい所があるから、こんど連れて行ってやるぞ」
「頼む!」
村長を見つけて、アルとネロの家の件を頼んでみる。
即答で了承してくれた。
アルとネロは手持ちの金が無いと言うので、俺が立て替える。
村長は、俺からここ数日で既に、村の収入の何年分にもあたる金を貰っているというので、受け取れないという。
しかし、いつもの如く強引に渡すが、村長は盗まれないか心配で夜も寝られないと言ってきた。
……たしかに、大金があると気になって寝れないな。
「それは、悪かった。 俺が一旦、余分な金を預かるから、必要な時は必ず連絡してくれ」
村長は「これで、ぐっすり寝れる」と安堵の表情だ。
アルは俺が立て替えた金の代わりに、ドラゴンの鱗と髭と爪を持ってくると言うと、ネロも何か持ってくると言っていた。
「別にいいぞ」というが、聞いていない。
「アル、そのドラゴンの鱗とかは、本当に俺が売ってもいいんだよな?」
「あぁ、構わん。 欲深き奴が襲撃してきたら反撃するだけじゃ!」
「反撃の前に、俺を呼べよ!」
「勿論じゃ!」
アルとネロ、それにラミア族が帰ると言うので、見送る。
その後、後片付け作業を手伝っていると、ロイドと同じ片付け作業になったので、
「料理は、ロイドが作ったのか?」
「全部ではありませんが、幾つかは作らせて頂きました」
「旨かったよ!」
「ありがとうございます」
嬉しそうに笑顔を返す。
片付けも終わり、ジークに戻る事にする。
帰りは、俺の【転移】でも大丈夫だ。
リベラ達には隠しておいた方がいい気もするが、トグルやイリアにはバレているのかも分からない。
……まぁ、仕方ないか!
ゾリアス達に挨拶をする。
「仲良く暮らしてくれよ」
「お前にここまでして貰ったんだから、少しでも恩返しさせてもらうよ」
「
「それは、頼もしいな」
「じゃあ、戻るか」
村人達に挨拶をして村から少し歩いて、【転移】を使った。
案の定、シキブとムラサキ以外は驚いていた。
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