第25話 魔王再び!
小学生が又、目の前にいる。
しかも、増えている。
一〇分程前になるが寝ていたら突然、アルが上から降って来た。
外を見るとまだ陽も登っていない時間に【転移】してきた。
早々に、もうひとりの小学生が、
「お前が、タクトか~! アルの仇を取りに来たの~、勝負するの~!」
と叫んできた。
なんで又、小学生の相手をする事になるとは……
とりあえず、シロとクロに人が来ないように見張って貰う。
ふたりには、他の村民に迷惑が掛かるから、静かにするように言って聞かせてから、
「お前、誰だ?」
「ネロなの~!」
「第二柱の魔王じゃぞ!」
「はぁ~!」
この小学生が、魔王!
アルと仲が良い魔王と聞いていたけど、アル同様に見た目で判断してはいけないが……
「アル、事情を説明しろ!」
「……まぁ、そのあれじゃ!」
俺との勝負に負けた後に、グランニールから魔族にその事が伝えられ、ネロの耳にも入った。
ネロはすぐにアルと連絡を取り、アルの口からあっさりと負けた事を告げられると、自分が仇を取り尚且つアルより優秀な事を証明すると言って、アルに俺の所まで案内をさせたそうだ。
なんか、面倒臭いな……
どうせ、拒否権は無いのだろう。
「勝負は昨日と同じで良いか!」
「もちろんなの~! 私がアルより優秀な事を証明してやるの~!」
「負けたら
「条件は同じでいいの~! 因みに私も十一個持ちなの~!」
……まぁ、魔王なんだからそうだよな。
とりあえず、一回目は練習にした。
当然、俺の勝利だ。
続けて、本番をする
「先攻と後攻、どっちでも好きな方を選んでいいぞ」
ネロは先攻を選んだが、俺の勝利。
その後も当然だが、十一回全て俺の勝利だ。
ネロは、前回負けたアルと同じ様に両手両膝をついて下を向いている。
なにやら、ブツブツと小声で話しているが、良く聞こえない。
ネロが負けた瞬間に、アルは嬉しそうに誰かへ連絡をしている。
……多分、グランニールだろう。
この事もあっという間に、魔族の間で広まるという事か。
「なっ! タクトには敵わんといったじゃろ!」
「タクトは、アルの師匠なの~?」
「そうじゃ、タクトは妾の師匠なのじゃ!」
「えっ! ちょっとまて! そんな事、言った事無いぞ!」
「気にするでない! この妾が決めた事じゃ!」
……いや、いや勝手に師弟関係結ぶなよ!
「私も、タクトに弟子入りするの~!」
「はぁ~!」
なんでこんなことになるんだ。
魔王ふたりの師匠って、言葉だけ聞くと俺って最強だな。
「妾が一番弟子で、ネロが二番弟子じゃな!」
「また、二番なの~!」
ネロは二番弟子というか、二番なのが気に入らないらしい。
「因みに、
「ズルいの~! 私も登録するの~!」
アルめ、余計なことを言いやがって!
ネロも俺と
俺の
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