第6話 現状確認と今後!

 ……生きている!


 ゴブリン達に襲撃されてから目を覚ます。

 良かった!

 体を起こそうとすると、首筋に痛みがある。

 寝ている間に虫にでも刺されたか、ゴブリンとの戦いで知らぬ間に怪我でもしたのだろう。


 とりあえず、ステータスを開いて異常が無いかを確認する。

 毒等のステータス異常は無かった。

 『MP』は全快していたが、『HP』は半分位しか回復していない。

 食事を取っていなかったせいか?


 転移して何日目か分からなく試しに【全知全能】に確認した所、『六日目』と回答した。

 まだ、一週間経っていなかったのか……。

 【全知全能】はカレンダーとしても使えるのではないだろうか?

 六日過ごして気が付いたことが数点ある。


 まず、【アイテムボックス】だが、最初に起動させた時に直径約五センチくらいだった為、小物類を入れる事は可能だが取り出すのが一苦労だ。

 やはり腕が入る位の大きさは欲しい。

 【全知全能】に問うと、アイテムボックス内では時間経過が無く、温度も収納した際の温度のままらしい。

 但し、生物に関しては収納不可という事だ。

 現状はレベル一からレベル二にしたが、まだ拳が入る程度までしか大きくなっていない。


 レベル五まであるらしく、レベル三で直径約三〇センチ、レベル四で直径五〇センチくらいになり、レベル五だとそれ以上大きい物でも収納可能になるらしい。

 必要なスキル値は高いが、これからの事を考えると優先度は高い。


 次に【料理】だ。

 この辺りは動物が少なく調味料も無い為、木の実を主食として魚や魔物(無毒限定)を食べているが全く味気ない。

 道具も無い為、魚はともかく魔物を捌くのも一苦労だ。

 料理属性に【解体】がある為、これも早々に習得したい。


 交渉の末に習得した【言語解読】と【念話】だが、魚やモンスターを殺す際に言葉が分かる為、最初の頃は躊躇したが馴れとは怖いもので、今では何の感情も無く殺せるようになった。

 ゴブリンとの一件があったせいもあるが、殺人鬼もこんな感じなのだろうと思う。

 こちらに来てから、人と話していない事が余計にそう思わせているのかも知れない。

 このままだと普通に躊躇無く人が殺せてしまうのではないか……。


 そして、【治癒】のスキル。

 この間のゴブリンの襲撃もそうだが、転移後に腹痛になった事が一度あった。

 しかし、こちらには【正●丸】の様な薬が無い為、薬草を探して森の中に入ったりと危険な行動をしなくてはならなかった。

 白魔法属性の【治癒】は必要だ。

【回復】は『HP』を回復して疲れを取るだけなのであまり必要はないが、今後のことを考えると【治癒】と【回復】は必要だ。


 ステータスよりスキル一覧が閲覧可能な為、魅力的なスキルが幾つかある。

 いずれは人里に下りる事になる為、鑑定士属性の【鑑定眼】、商人属性の【交渉】、旅人属性の【世界地図】、盗人属性の【危険探知】だ。

 属性魔法と違い、職業属性はレベルがありそのスキルを極めていくみたいだ。

 出来ればそれぞれレベル三まで上げておきたい。


 【鑑定眼】は、今アイテムボックス内のアイテムの正規価格を知っておくことが出来る。

 それに、魔物のステータスも見ること可能だ。

 【交渉】はそれを売る際に足元を見られない事と、人里では何かと交渉をスムーズに進めた方が信用も上がると思う。

 【世界地図】と【危険探知】はこの森を安全に抜けるには必要かと思う。


 とりあえず、【アイテムボックス レベル五】【解体】【治癒】【鑑定眼】【世界地図】【交渉】【危険探知】を習得してから村を目指す事とする。

 戦闘レベルは、【攻撃力】【防御力】はそこそこにして、【俊敏力】を優先的に上げて、出来る限り逃げ、弱いモンスターのみを狩るとして、これから二週間後を森から出るとして、レベル上げに励むとしよう。

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