第3話 初魔物討伐!
……朝を迎えた。
死ななくて、本当に良かった。
疲れていたが、火が消える恐怖で殆ど寝られなかった。
昨夜、気が付いた事は服の背中にデカデカと四葉のクローバーの刺繍があった事だ。
まるで歩く広告塔だ。
布教活動は、確かに宣伝効果が必要だし、俺から言い出した事なので仕方がない。
とりあえず、敢えて目立つ行動を取り、世間の注目を集めて名前を売る。
今日は、【火球】によるスキル強化をメインとする事にした。
昨夜、【火球】を一回発動しただけで、頭がクラクラした。
『MP』を三分の二消費した反動だろう。
当面ステータスは、『俊敏力』と『MP』をメインに振り分けることにした。
前世でしたゲームでは、前衛の戦士や格闘家が好きだったのに、今は魔法職のようなスキル振りになるとは皮肉だが、生き抜く為には仕方が無い。
この状態で森の中に入り、奥の方まで進むのは危険だ。
拠点から五百メートル程度までとして、木の実を確保していた。
探索途中で水溜りかと思い避けようとすると、水溜りがイキナリ襲い掛かって来た。
「これがスライムか!」
前世のイメージだが某ゲームの様な玉ねぎ型を想像していた。
形は違えど序盤に出てくる魔物の定番だ。
倒せない訳が無い。
槍で突いてみるが、ノーダメージのようだ。
このままだと体力が奪われるだけだ。
……何か、倒す術がある筈だ。
よく見てみると、本体? の中に十センチ程の物体がある。
これが『
その『
【全知全能】に確認すると、倒したモンスターは消滅せずに、そのまま死骸として残る。
冒険者達は『
とりあえず、
川で手を洗っていると、遠目に魚が泳いでいるのを発見する。
どうにか捕る事が出来ないかと川の中に入って行くと、黒い魚影が近づいて来た。
……もしかして、魔物か?
すぐに岸まで戻ると、後ろで大きな魚型の魔物が飛び跳ねた。
気付くのがもうすこし遅れていたら、襲われて間違い無く死んでいただろう。
水系魔物の事を完全に失念していた。
そうだ、ここは異世界なのだから何処にいても危険が潜んでいる。
前世の認識でいるとあっという間に死ぬ事になる。
水深が膝下くらいまでの場所なら、目視も出来てすぐに岸へ戻れる為、安全だと思いながら石をUの字に配置して魚の追込み漁をしてみた。
数匹の小魚が獲れたが、食べれそうに無い小さな魚はリリースした。
少しではあるが、タンパク質を摂取出来る事は喜ばしい。
まだ、二日目ではあるが少しずつこの世界に慣れてきているのは感じる。
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