連載小説

アラン:英国人女性  奥田:アランのカウンセラー  

別製本記載、連載中より・・。

7回目の セッションだ。 奥田:やっぱり、きれいだ。外国人女性は、なんて目が、すんでいて、きっと、こころも 澄んでいるにちがいない・・。何倍もだ。その辺の、コギャルみたいな、日本の女の子より・・・。ずっと・・・。神聖に、思えた・・。それに、新鮮だ。こんなに、日本語も、まあまあ、うまくって。そして、あたりまえだが、英語が、すごく、うまい。うまい、というか・・・、発音がすっごく、きれいだ・・。英語がわからない奥田にも、訴えて、くる。

「じゃ、毎度だけど、朗読しよう。プリントは、これね・・・」

「・・・このセッションは、成功する。・・・このセッションは、日に日に、効果を、上げる。このセッションの効果が・・・、薄まって消えそうになっても、・・脳に内存された、保存された・・このセッションは、あなたの行動に、影響を、及ぼす・・・。」

 日本語で朗読させることに、意味はあるのか、だが、日本語も達者ではないが、分かるのだから、まあ、いいだろう・・。第一、奥田は英語では、分からなかった。今度、英語訳してくれるよう、頼めばいい。

 じゃ、今回の、恋愛恐怖症克服マニュアルね、そういって、レジュメを手渡す・・。  まったく、奥田のプランは、淡々と、順調に、進む。アランは、とても、気に入っていた。この時間が、ストレスになることも、ないし、気楽だ・・。これも、プロの、気遣いだろうか・・、いや、そこまで計算して考えたものでも、なさそうだ。カウンセリングは、ともすれば、重ぐるしく、暗くなるものなのに・・。

 手渡されたレジュメを、朗読する・・。

「SEXで、相手を、嫌いにならない・・。」「SEXで、相手を、憎んだりしない。」「・・・・・・で、悲しく、ならない・・・。」「・・・で、みじめにならない。」


午後も平和に、お茶と、このカウンセラーと、ヒーリングミュージックで、すぎようと、している。簡単な、スイーツまでそえてくれるときも、ある。自分は、お茶を飲みながら、聞いているだけだ。たばこを、すっているときも、ある・・。とはいえ、ほんとうに、アランのことを、かんがえ、そして、カリキュラムは、効果が期待できそうだった。

 こんな、ばかばかしい、と思うような、カリキュラムだが、せいいっぱい、まじめに考えてきたし、まじめにとりくんで、くれる・・・。とは、言え、自分がかんがえた、とは、言え、まともに、これを、くりかえし、読まれ、目の前で、言っているのを、聞いていると・・、なんの時間なのか、分からなくなり、おかしく、なってくる。・・いやいや、十分効果的な、プロフェッショナルな、カリキュラムである。奥田は、自分に、思い直させる。

 

すこし、休憩が、はいる・。

「でも、本当に、恋愛恐怖症かな?わたし」「べつの、理由では?」

「べつの理由とは?」「恋愛がうまく、いかない理由だよね?」

「・・きっと、魔法使いが、王子様と、であわないように、魔法を、かけたの」

なんて、答えたらいいのか、分からなかった・・。本当にまじめに、言っているようだ。

 「・・・・ そうだ、ろうね・・。」

じゃ、このカウンセリングと、この時間は、なんなんだ・・・、おかしくなりながら、奥田は、お茶を  いれなおす。 お茶には、リラックスするものや、日本茶でも、癒されるし、こころが、なごむ。でも、いちばんだいじなのは、お茶を、入れることで、もてなす気持ちが、あるよ、と相手に、伝わるし、お茶を用意されて、いやな気がする人は、いないし、あなたを、人として、むかえるよ、認めているよ、と示せる。医者と、患者では、ない。それは、奥田のカウンセラーとしてのプロ意識だ。

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