第7話 現れたの死と創造の王国 3
サイメロ村でのSTAR☆DROPの戦いが起きている中、課題を終えた魔法少女の方程式の三人は街の中で帰宅途中であった。
課題が大変だったのか、三人共少し疲れ気味な顔をしていた。
「流石につかれた~~~」
「リオ!ダレないの!私達はいつだってM'sKメンバーとしての自覚をだね・・・」
「えぇ~、だってさ~~~」
「まぁ、まぁ、リオも少しだけでもシャキッとして、ルナも常に意識しすぎちゃうと疲れちゃうかね。少しだけ方の力抜こう」
「もう~、ミアも~」
三人はそんな話をしながら、夕焼けを後ろに歩いていた。そこには街の活気が溢れており、平和な日常を歩んでいた。
「は~~~い、お姉ちゃん達、また会えたね~~~♪」
三人の目の前から、つい数日前に聞いた声がした。そこには、あの時なサイメロ村で泣きながら逃げ回っていたユキワがいた。
『!?』
「ユキワ・・・ちゃん・・・どうしてここに・・・」
目の前にいるユキワを見ながら、三人は呆然としていた。
当のユキワはニコニコと笑顔で三人に近づいてきた。三人は、ユキワの歩みに合わせるように一歩ずつ後退りをした。
「あれぇ?お姉ちゃん達・・・なんで離れていこうとするの〜?」
「そ・・・それは・・・」
ユキワの言葉に、嫌な汗をかきながら間合いを取りつつリオが言葉を濁した。
三人も気づいていた・・・サイメロ村の時とは違う・・・笑顔の中に、恐怖、それはまさしく闇と言うのに相応しいかった。
「あれれ〜?もしかしてだけど・・・私のことが怖いのかぁ???ねぇ・・・魔法少女の方程式さん♪」
その言葉に合わせるように、ユキワの顔から笑いが消え・・・突如、ユキワの後ろから現れた黒い
煙が、ユキワを包み煙が消えた瞬間にユキワの見た目が変わり少し成長した姿となった。
「ユキワちゃん・・・その姿は・・・」
「フフフ・・・この姿では初めまして、私はキングダム5兄弟の1人、鍵魔法の魔女 プリンセス ・スノウ・リング・・・以後、お見知り置きを♪」
そう言ったスノウ・リングは、深く冷たい目を三人に向けながら見つめた。
「キングダム・・・?スノウ・リングってどう言うこと?ユキワ!あなたはいったい?」
「本当に、M'sKの上の人達は何も教えてないのね・・・キングダムは、私たち兄弟がお父様と作った破壊と創造の王国・・・私たちは・・・10年前に、お父様の夢と理想のためのために、この世界を破壊しようとした・・・新たなる創造のために」
スノウ・リングが少しずつ、キングダムの話を始めた。その一言一言が憎しみ、憎悪の混じった言葉で語っている。
三人は、ただ無言でそれを聞いているしかなかった。
「ま、私はそのころまだ小さいから記憶もなく、戦ったりもしてなかったけどね。でも・・・10年前にM'sKのせいでキングダムは封印の扉の先の世界に閉じ込められた。お父様は悲しんだわ・・・そして私達も・・・M'sKさえいなければ・・・今頃、お父様の理想の世界で幸せになれたのにってね・・・だから・・・私は誓ったわ。M'sKの全てを壊すって・・・だからまずは手始めに・・・・・・期待のルーキーと呼ばれている貴方達を倒そうってわけ♪そんなわけで・・・死んでもらえませんか?お姉ちゃん達♪」
そう言うと、スノウ・リングの表情が怒りに変わり、そのプレッシャーが三人を飲み込んだ。
そして、スノウ・リングは腰に付けている錠前の中から1つ鍵を取り出した。
「鍵よ、鍵よ、魔力の鍵よ・・・今扉を開き、破壊と創造を・・・開き出でよ!キメラスライム!!」
スノウ・リングがそう唱えると、上空に黒い煙が発生し、中から扉が現れた。そしてその扉が開くと強い力が発生し、周りの人が扉に吸い込まれていく。
「助けてーーーー!」「きゃーーーーっ」「死にたくない・・・死にたくないーーー」
人々が吸い込まれる中、三人は自分たちが吸い込まれないようにするのが精一杯だった。そして少しの時間、周りから自分たち以外の気配がなくなると・・・扉が一度閉まり・・・再び開くと、そこに巨大なスライムが現れた。
「こ・・・これは・・・ユキワちゃん!一体何をしたの!!」
「吸い込まれた人たちはどうしたの!?ねぇ、ユキワちゃん!」
「フフフ、リオお姉ちゃんもミアお姉ちゃんも心配性だな・・・大丈夫だよ♪もうしっかりみんなキメラスライムの一部となって死んでいったから・・・サイメロ村の人たちみたいに♪それに、私の名前はスノウ・リング・・・気安くユキワなんて呼ばないでもらいたいわ・・・まぁ、今回は挨拶変わりにこの子を置いていくから、いっぱい楽しんでね♪じゃあね〜〜〜」
そう言って、ユキワは煙とともに姿を消した。そしてその場にはリオ達三人と、巨大化したキメラスライムだけが残った。
「ユキワ・・・とりあえず、今はこの巨大なスライムをなんとかしないと!!リオ、ミアいける?」
「えぇ・・・大丈夫・・・行けるわ」
「人の身体を使って作ったモンスター・・・ユキワちゃん・・・スノウ・リング・・・っ、ルナ!ミア!やろう
!苦しんでいる人たちの魂だけでも助けてあげないと!!」
「えぇ」
「うん!いこう」
『チェンジ!マジシャンズ ローブ アップ!』
三人は、サイメロ村の時と同じようにローブに包まれ戦闘スタイルになる。
そして、ブレスから武器を召喚し装備した。
「結ぶ思いは心の強さ つながりの魔法使い リオ・ミレーヌス!」
「四つの元素 今、我とともに 叡智の魔法使い ルナ・アンバーレイン」
「優しき力 今生命の息吹となりて全てを包む 癒しの魔法使い ミアーシャ・コーリアス♪」
『三つの力 いま 一つと成りて魔導を制す! 我ら魔法少女の方程式!』
「スノウ・リング!あなたの思い通りにはさせない!」
三人は、名乗りをあげるとキメラスライムに向かって行く。
そしてリオは剣を振りかざし、キメラスライムに切りかかった。
「せいやーーー!!!」
しかし、その剣はスライムをすり抜けていった。
「なにっ!?」
「剣が効かないなら、これならどうだ!ファイヤーボール!!」
剣が効かないことに気づいたルナは、今度は魔法で対抗した。だが、放ったファイヤーボールもキメラスライムの身体に吸収され、何事もなかったかのように平然としていた。
「ファイヤーボールも効かない・・・」
「・・・ルナ!属性を変えよう。サンダーアローを!」
「わかった!穿けイカヅチの矢 サンダーアロー!!!」
サンダーアローが、スライムの身体に吸収されたが、スライムはその後に痺れたように震えていた。
ファイヤーボールよりもダメージが通っているようであったが、すぐにスライムは回復し、三人に近づき、ゲル化した身体を自由自在に動き、三人に襲いかかってきた。
「しまった!?」
「スライムが足に!!」
とっさにに避けたが、ルナとミアがスライムに捕まり、そのままスライムは二人を投げて建物にぶつけた。
「ルナ、ミア!!くっ・・・こいつ強い・・・でも、二人がダメージを負っている以上は私がなんとかしなきゃ・・・」
すると、崩れた建物の中から、ルナとミアが顔や腕に血を流しながらも立ち上がった。
だが、たった一撃でも彼女達に与えたダメージは大きかった。
「だ...っ、大丈夫だよ、リオッ」
「わっ、わたしも・・・かすり傷くらいだよ♪」
そう言いつつも、ミアは右腕が動きそうにない・・・ルナも身体へのダメージが大きいらしく、目の前が霞んで見えなくなっていた。
「くっ...これは...ヤバイかも...」
リオは、目の前に立ちはだかる敵に、恐怖を感じつつも戦う術を考えていた。
「フフフッ、三人とももっと楽しい声を聞かせてね.・・・その綺麗な苦しみの声を」
三人の戦いの場所から少し離れた時計塔のてっぺん、プリンセス・スノウ・リングは不敵な笑みを浮かべながら、三人が苦しむ姿を見ていた・・・
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