第8話 現れたの死と創造の王国 4
二人が怪我をし、残ったリオは攻撃が通らない状態で、絶対絶命のピンチに魔法少女の方程式はなっていた。
そんな状態であっても、スライムの攻撃は激しさを増し、リオはその攻撃を避けつつ何度も剣でスライムを切りつけていた。
「はぁはぁ・・・やっぱり、切るだけじゃダメだ・・・もっと何か・・・攻略はあるはずだ」
息を切らしながらも、スライムの攻撃に必死で避けていく。その都度、いろいろな攻撃方法を試していく。
「火属性は効かない・・・雷は・・・ルナの魔力攻撃でもそんなに効果がなかった。私の魔力じゃそんなに大きな魔力攻撃はできない。でも・・・一か八かやれることをやるしかない、エンチャント・エレメント・アース」
リオは、自分の武器に土属性の魔族付与を付けた。そして、スライムからのゲル状の触手攻撃をよけ、触手の付け根を切りつけた。
「効いた!?」
だが、すぐにその触手は再生し、油断していたリオの足に絡みついた。
そしてリオを上に持ち上げて、そのまま地面に叩きつけた。
「クァハッ‼︎」
叩きつけられた衝撃で、リオは口から血を吐いた。
そして、スライムの触手が離れた後も身体を起こせなかった。
「ヤバイッ・・・これ入っちゃいけないとこに入ったわ・・・」
声を枯らせながら、リオは無理やりでも立ち上がろうとした。
「リオ!!かの者に癒しの風をファーストエイド!!」
ミアの回復魔法が、リオの傷を一時的にでも回復させた。
そして、次はルナの回復魔法をかけた。
「とりあえず、二人はなんとか回復できたかな、、、さすがに・・・怪我のせいでもう魔力コントロールはムリか・・・」
リオとルナを回復を優先させたため、自分の怪我の治療が追いつかず、魔力を使用することが難しくなったミアは、地面に崩れるように座り込んだ。
「とりあえず、自分の傷を止血しないと・・・表面を凝固させれば、なんとかなるかな・・・凝固・・・!!・・・なんとかなるかな、、、いや、今は少しでもやれることをしないと」
ミアはなにかに気づくと、建物の壁を使ってむりやりにでも立とうとした。
自分の止血をするための僅かな魔力を利用し、魔力を集めていく。
「よし、このくらいでなんとかなるか・・・ルナ!!魔力ブーストかけるから、それを利用してアイス魔法をリオへ、リオはそれをエンチャントしてスライムに攻撃を!!」
「えっ?わ、わかった!リオはいける?」
「当然!!付与魔法ウェポンエンチャント!」
「よし、行くよ!光魔法ブーストパンプアップforウェポン!ルナ!」
「うん。アイスエナジーforウェポン」
「いくぞ!!てぇりゃああああああ!!」
リオの剣に氷属性の魔力が付与される。剣の色は青白く透き通りさしずめ推奨のようだった。
付与された剣を再びスライムに対して振りかざし、触手を切りつけた。
触手の切れた先は凍り付き、それは再生されなかった。
「やっぱり、リオ!!スライムは氷属性の魔法剣で凍らせれば復活しないみたい!まずは攻撃手段の触手を切って、ルナは魔力チャージをして、全力のブリザートサークルを使って!」
ミアの言葉に、リオとルナは頷くとリオすばやく動き、触手を次から次へと切っていった。そしてルナは魔力を集中させて魔法陣を発動させた。
「全ての魔導の源よ・・・水の元素の力にて上位の魔導を我に授けよ・・・その名は氷!放て氷結なる聖域!ブリザードサークル!!」
「リオ、後ろへ退避して!」
「了解」
リオは、ルナの魔法発動に合わせてスライムから退避した。その瞬間、スライムを中心として直径10メートルほどのドームが発生し、その中で複数の氷の粒子が吹雪のように荒れ、スライムに降り注ぐ。そしてドームの中が白くなり暴れていたスライムの姿が見えなくなり、ドームが壊れるとそこには完全に凍りつき固まっていた。
ミアは、動かない右腕を抑え、おぼつかない歩き方でゆっくりとスライムの元へ向かっていった。
「キツかった・・・私達がもっと強くなっていたら・・・吸収された人たちを救えたかもしれないのに・・・でも・・・ごめんなさい。」
そう言うと、ミアは左手で軽くスライムにパンチをした。
すると、スライムの表面にヒビが現れて、音を立てて崩れていった。そして崩れた粒子が灰となって落ちていった。
「どうか・・・安らかに・・・」
ミアは、二人の見えないように涙を流し、そのまま地面に向かって倒れた。
リオとルナはすぐに、ミアの元に向かい声をかけた。
「ミア!しっかりして!」
「今、救助チームを呼ぶから!だから死ぬな!」
怪我をしている三人はほぼ、体力も使い切り憔悴しきっていた。
その後ろ・・・30メートルほど後ろには、先程時計塔の上にいたスノウ・リングが近づいて来ていた。
しかし、近付こうとするスノウ・リングの前に1人の女性が間に入って歩くのを止めさせた。
「・・・私は彼女たちに用事がるんですが?そこをどいてくれませんか?」
「離れると思う?これ以上はさせないよ」
「あなたはいったい?」
「私は・・・彼女達の先生よ」
三人と、スノウ・リングの間に入ったのはオオカだった。そしてオオカの左腕にはメモリーブレスが付いていた。
「・・・ククク、なるほどM'sKのメンバーであいつらの先生ねぇ・・・じゃあ貴方も私の敵ってわけね・・・ほら、お決まりの名乗りで自己紹介でもしてもらいましょうか?」
「あら、残念♪私はもう、M'sKに在籍していないから名乗りはできないの・・・でもまぁ、あえて言うなら・・・元『閃光の勇者』とか言っておきますかね♪」
「!?・・・閃光の勇者・・・M'sK結成当時のNo.5・・・なるほど、これは私でも分が悪い事くらいはわかるから、今回は引かせてもらうわ」
「そうしてもらうと助かる。私も、無駄な戦いはしたくないからね。」
「それでは、閃光の勇者さま。ごきげんよう」
(それに、魔法少女の方程式の弱点もわかったしね・・・あの三人の弱点・・・司令塔であるミア、彼女を崩せば、あの三人は必ず壊せる)
スノウ・リングはオオカを背に姿を消していった。
少し先では三人の元へは、救助チームが到着し、治療魔法を受けていた。
「あれが、クレハが話してたスノウ・リングか・・・なかなかに厄介な組織になったな・・・キングダムは」
そう言うと、オオカは振り返り、三人の元に歩いていく。そして歩きながらまた独り言を言った。
「それにしても、うちのバカ弟子の日光と月光は何でさっさと帰ってこない・・・これは、昔みたいに怖い目に合わせないとな・・・」
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