第4話 何気ない魔法少女達の会話
M'sK本部への報告から数日後、魔法少女の方程式の三人はアルストフィアにある国立魔法学校【ルオーブ】中等部の教室にいた。
夕暮れ手前の時間で、教室にはリオ達三人とホワイトボードの前に立っているスレンダーにスーツの女性…おそらく講師であろう女性が残っていた。
「オオカせんせ~、やっぱりこの魔力生成の仕組みがわからないですよ…」
リオは、頭をフル回転させて魔法の勉強をしているが、細かい仕組みが全然わからず、悩み続けている。
ミアとルナは黙々と出されている課題を記入していく。
課題の内容は「魔法を使用するために魔力を生成し使用するために必要な条件を用紙記入し実際に実技にて生成してみせよ」と言う内容だった。
「リオちゃんは感覚で魔力生成しちゃうからなぁ~確かに記入は苦手なのは分かるけど、それをしっかりしていかないと今後の成長が難しいからね! でも実技はさすがってところね。」
講師であるオオカと呼ばれた女性は、リオの性格や性質から魔法の適正、魔力スタイルを読み取ると他の二人にも同じようにそれぞれの魔力スタイルを伝えた。
「ルナちゃんは勉強の成果として筆記は凄いよ。でもその分、実技になると考えすぎちゃうのかな?魔力発動がワンテンポ遅れているの。そこをどうするかが今後の課題ね」
「ミアちゃんは補助系魔法については申し分ないね。実技でもそれなりの成績が出ているから…でも魔力が暴走するのが怖いからってセーブしすぎてブレスでコントロールできる限界値の1/3程度の実力しか出せていない気がするわ。」
そう言った後に、オオカは教壇の椅子に座りながら手の上で魔力の玉を作り出した。
そしてその魔力の玉を右手へ左手へと移動しつつ、途中で2つに分裂させお手玉のようにいじりだす。
「魔法ってね、感覚も仕組みを考えるのも大事なの…両方の良いところを応用すればこんなに簡単に魔力コントロールができるのよ~」
「すごい!先生の魔力コントロール…安定してて綺麗な形になってる…」
「私は魔力の凝縮は苦手なんだよな…」
ミアはオオカの作った魔力の玉を見ると、興味津々で目を輝かせ、ルナは自分の苦手な部類の技術に漠然とびっくりしていた。
オオカはまた、魔力の玉を一つにまとめると、両手で潰して魔力の玉を消した。
潰した時にキラキラ光りながら、魔力の残りが地面に落ちて消えていった。
「まぁ、少しずつね…あなた達の魔力は強いから…コントロールもちゃんとメモリーブレスを使用しないと安定できないからね♪」
そう言われた後にリオが口を開きながら腕を動かしだした。それを見ながらルナとミアも同じように形を作っていった。だが三人ともやはり魔力の玉を作ることができずにいるのを見て、諦め顔をするオオカが声を出そうとした瞬間
「あ、ルナ!魔力を少し出したままにしておいて♪」
「ん?はいはい…これでいい?」
不安定な霧状の魔力を出したルナに、リオがその魔力の中に手を入れて魔力を玉を作り出した。
「できた!!」
リオがそう言うと、そのまま魔力の玉をミアに投げた。
ミアはそのまま出来上がった玉を分割してオオカのように2つにわけた。
それをみたオオカは鳩が豆鉄砲を食らったかのように驚いた。
少しの時間玉を出した後は、そのまま玉が自然と消えていった。
「あぁ~、先生みたいにはうまくできなかったよ~」
すぐに消えた玉を見て、残念そうにしているミアを見ながら、オオカは三人をしっかりみつつ、再び口を開いた。
「さぁ、三人とも!遊びは終わりにして、早く課題を終わらせなさい♪」
『は~い~』
三人は再び席に座り、筆記の勉強をひたすら勉強を続けていた…
それを見ながらオオカは真剣な顔になり、青く澄み切った空を見上げていた。
「日光…月光…あなた達の愛弟子、強くなるわよ…少なくとも…現役時代の私を……いえ私達を超えるのも時間の問題かもね…」
空に向かって小声で話したオオカは、再び三人に顔を見ながら優しく微笑んだ…
そんななか、【STAR☆DROP】はゴブリン襲撃事件のあったサイメロ村にいた…
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