第23話 王宮
すみれは、まばゆい光の中に立っていた。すぐに気づいた。ここが王宮の中だ、と。
「あなたが海王石の使者ね」
とても美しい声のしたほうを振り返ると、そこにはきれいな女の人が立っていた。
この人は、女王だ。
なぜそう思ったのかは、わからない。
だが、直感でそう思ったのだ。きれいな服を着ていたからとか、その驚くほど若く美しい顔立ちからとか、(それもあるけど)そんな理由だけでは収まらない、堂々たる威厳が、この人から感じられたのだ。
「はい、闇サンゴと、敵の刺客を連れてきました。この者は、術で操られています。意識すら危うい状態です。まずこの人を医療班に任せたいのです。」
すみれは、女王の姿に物怖じしそうになりながらも、やっとのことで言った。
「わかりました。その者と闇サンゴは、こちらで預かりましょう。それより、あなた、他に用があって来たのではないのですか」
女王に言われ、すみれはまた、かしこまった口調で、はっきりと申し上げた。
「はい。私たちの仲間のみどりが、魔法で連れさらわれました。魔法の痕跡を探ると、行った先は、敵のアジトのようです。海王石さんは、どこにでもワープホールをつなぐことのできる人物に、こことアジトをつないでもらうと言って、その人に会いに行きました。」
「なるほど。それはドゼという人物です。あのものと一緒なら、すぐにでもここに海王石はやってくるでしょう。そして私たちは兵が必要となるのですね。準備はしてきました。」
女王はそう言うと、玉座に座った。
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