第7話 一の太刀
デスグリズリーを倒した後の俺は、ちょっとした有名人となった。
動物を駆除するだけのミッションだと思ったが、危険度や強さはモンスター化した獣、魔獣の中でもかなり上位だったらしく、ギルド内で話題になったのだ。
バレてしまったからにはしょうがないので、ノーダメージチートを活かしてバンバンクエストをこなしていった。
そこで、一つ気づいたことがある。
俺にはノーダメージチートがあっても、剣術の腕があるわけでも、筋力があるわけでもない。
そのため、攻撃力がめちゃくちゃ低いのだ。
そのせいで、「無傷の剣聖」というカッコイイ異名とは裏腹に、戦闘はクッソ時間がかかるし、はじめのうちはワイバーン(ドラゴンより一回り小さな飛竜)を倒すのに、5日かかった。
そのときはめちゃくちゃきつかった。ダメージはないし常に健康だし金も無限だけど、疲れるし腹も減るし眠いものは眠い。
もう金無限にあるから欲しいものとかないし、キツいことがあるとなんのために生きてるかがわからなくなる。まぁこの地に来ている人たちの役に立つことと、俺の名声のために生きているのだが。
だから効率的に魔物を倒せる方法を考え、考えに考えた結果…………。
俺は怪しげな師範に大金を払って剣術を習うことにした。
酒浸りのジジイだったが、フィクションではこういうやつは実はめちゃくちゃすごい強いジジイなのだ。
無傷なので受けることは考えなくていい。
とにかく相手を早く倒す。そのための極意を習い、そして俺は身に着けた。必殺の剣術を。
そうしてジジイとの修業で、もともと持っていた捨て身と剣術スキルは、いつしか奥義となり、
大概の魔物を初撃で一刀両断した。
人々はそれを「一の太刀」と呼んだ……。
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